【企業で活躍】歯科衛生士インタビュー「仮説の段階からワクワク!好奇心が原動力」

歯科材料や製品を取り扱う企業に、歯科専門職として就職する人もいます。
広報やPR職などのほか、研究開発職として新製品の開発や改良のための研究に携わることもできます。

サンスター株式会社のオーラルケア研究開発室で研究員として活躍する岩﨑都さんに話を伺いました。

*こちらは、2020年3月発行「就活BOOKクオキャリア春号」掲載記事を再編集したものです。掲載情報は当時のものとなります。

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プロフィール

岩﨑 都さん(Iwasaki Sato)
サンスター株式会社 研究開発本部基盤事業研究開発部
オーラルケア研究開発室 研究員

広島大学(2015年卒)/医療職への興味と教師である両親の影響で、歯科衛生士と養護教諭のダブルライセンスを取得できる広島大学に入学。在学中から、臨床実習や教育実習の傍ら研究にも熱心に取り組んでおり、新卒で研究開発職に就いた。プライベートでは社会人音楽サークルでキーボードを担当しており、メンバーと練習に勤しんでいる/一般社団法人日本臨床試験学会認定GCPパスポート

仮説の段階からワクワク!好奇心が原動力

華やかさの陰に 地道な積み重ねがある

学内の説明会で、研究開発を行っている先輩の活躍ぶりを聞いて感銘を受け、サンスターへの入社を決めた岩﨑さん。オーラルケア研究開発室の研究員として、製品の有効性評価やWebサービスの開発に携わっている。

「入社前は、学会発表などを見てキラキラした華やかなイメージを抱いていましたが、その裏にあるのはエクセルに1文字1文字入力したりといった地道な作業。でもそのコツコツとした努力こそが、成果につながっているんです」と力を込める。

研究開発の仕事はチームプレイ。マーケティングやシステム開発、広報などさまざまな部門のプロフェッショナルと連携し、そのなかで専門性を発揮することが求められる。

「私の役割は、歯科衛生士の視点からアプローチすること。メンバーからの『この器具はどんな用途で使うの?』といった質問に答えたり、試験協力先の歯科医師や歯科衛生士に開発目的をわかりやすく伝えたりしています」

製品の開発には2、3年を要することも。年月も労力もかかる分、携わった製品や研究が形になったときの達成感はひとしおだ。

サンスター株式会社(大阪府高槻市)内にある研究室の一角にて。
モニター画面に映ってるのは、歯ブラシ(ガム歯周プロケア デンタルブラシ)の3本毛先。

世界に通用する エビデンスを創りたい

2年前には臨床試験の認定資格を取得し、さらに上のレベルの資格取得を目指しているところ。最近では、学生時代の恩師との共同研究にも挑戦した。

「丸5年たち、自分の足りないところが明確になってきました。春からは社会人学生として大学院の研究室に入り、データ解析の基礎を学びなおすつもりです」と意気込む。

スキルアップのための努力を惜しまず、次々に新たな場へと飛び込む岩﨑さんだが、そのモチベーションの源は好奇心だという。

「新しいプロジェクトを任されるたび、仮説の段階からどんな結果が得られるのかとワクワク。うまくいかないときもその気持ちがあるから頑張れますね」
と目を輝かせる。あふれる興味の先に、夢がどんどん広がっていく。

「海外拠点での研究に携わり、世界に通用するエビデンスを発信していけたらと思います」

教えて岩﨑さん!研究開発ってどんな仕事?

開発に携わった製品は?

2019年11月にリリースした「ガム オーラルケア スマートコンシェルジュ」です。これは、歯ブラシ選びをサポートするWebサービス。AIに学習させるため、さまざまなサンプル写真を見て評価付けし、それぞれどういった製品が適しているかを考えました。

スマホで撮影した口内写真と簡単な問診から、AIが口の状態を解析し、その人に合った歯ブラシなどをオススメ。

臨床試験ってどんなことをするの?

歯ブラシや洗口液などのオーラルケア製品について、実際に人に試してもらって、有効性を評価します。例えば製品カタログの裏面に載っているようなプラーク除去率といったデータもこうやって調べたもの。先行研究の調査、仮説を立てる、試験計画の作成、倫理委員会の審査などたくさんのステップを経た上で試験を実施し、データの採取集計・解析などを行います。

被験者に来てもらい臨床試験を行う部屋

 

学会でのポスター発表など情報発信の仕事も

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