活躍の場がもっと広がる! 歯科衛生士の認定資格
これから歯科衛生士として経験を積んでいくなかで、「もっと幅広く活躍したい」「興味のある分野を究めたい」という想いが湧いてくることもあるはず。
そこで今回は、歯科衛生士の国家資格に加えて取得できる資格をピックアップ。実際に各分野の認定資格を取得し活躍している先輩のコメントとともに紹介します。
目次
現役の若手歯科衛生士に聞いてみた「認定資格に興味はある?」
「とても興味がある(27%)」「やや興味がある(47%)」を足すとおよそ3/4以上の方が興味がある、という結果になりました。
自分のキャリアアップのため、患者さんにより良い診療を提供するため、勤務先の歯科医院に貢献するためなどさまざまな理由で、認定資格に興味のある歯科衛生士さんが多いようです。
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歯科衛生士の認定資格にはどんなものがある?
認定資格とは、特定の分野において、高度な知識や技術を備えていると認められた者に与えられる民間資格のこと。認定機関となる学会や団体に所属し、単位取得や学会参加、研修など設けられた基準をクリアすることで取得できます。
各学会が認定している主な資格
◎日本歯周病学会認定歯科衛生士
(日本歯周病学会)
全国の有資格者は1,090名(2018年4月時点)。5年以上の実務経験や複数の症例提出が必要など、認定の難易度は高めで、それだけに取得する過程で多くの知識や技術を得られるでしょう。
◎ホワイトニングコーディネーター
(日本歯科審美学会)
最近では結婚式や就職活動前のお手入れとしても行われるようになり、より身近になったホワイトニング。扱う医院も増えており、スキルを生かせる場が広がっています。
◎日本小児歯科学会認定歯科衛生士
(日本小児歯科学会)
◎日本成人矯正歯科学会認定矯正歯科衛生士
(日本成人矯正歯科学会)
◎インプラント専門歯科衛生士
(日本口腔インプラント学会)
◎日本歯科審美学会歯科衛生認定士
(日本歯科審美学会)
◎日本口腔衛生学会認定歯科衛生士
(日本口腔衛生学会)
日本歯科衛生士会が認定している資格
全国の有資格者は2,870名(2020年2月現在)。認定分野A・B・Cと、3つの分野があり、認定分野A・Bについてはその中でさらにいくつかの分野に分かれています。認定分野Cは認定分野AまたはBを取得した上で一定の条件を満たした場合に取得できる、研修指導者・臨床実地指導者の資格です。
日本歯科衛生士会HP
◎認定歯科衛生士(認定分野A) *6分野
・生活習慣病予防(特定保健指導-食生活改善指導担当者研修)
・摂食嚥下リハビリテーション
・在宅療養指導・口腔機能管理
・糖尿病予防指導
・医科歯科連携・口腔機能管理
・歯科医療安全管理
◎認定歯科衛生士(認定分野B) *5分野
・障害者歯科
・老年歯科
・地域歯科保健
・口腔保健管理
・う蝕予防管理 ※2020年度から新設
認定資格を持つ歯科衛生士に聞いてみた!
興味を持ったきっかけは? 働き方はどう変わった?
実際に資格を取得し、業務に生かしている先輩の体験談を紹介します!
日本口腔インプラント学会認定インプラント専門歯科衛生士
福島医療専門学校/2010年卒
医療法人 君歯会 きみ歯科・口腔外科クリニック(福島県会津若松市)
「患者さんの笑顔が私のモチベーション!」
私がインプラントに関心を持ったのは、当院で携わるようになってから。知識が増えると患者さんに提案できることが増え、それで喜んでもらえると自分もうれしくて。もっと踏み込んで治療に関わりたいと考え、資格を取りました。ほかの歯科衛生士では難しい処置を行えるようになったり、自分で判断できることが増えたりして、大きな手応えを感じています。
日本顕微鏡歯科学会認定歯科衛生士
千葉県立衛生短期大学/2001年卒
医療法人社団 慎雅 いとう歯科クリニック(千葉県富里市)
「専門性の高さ=引き出しの多さ」
院長と一緒にマイクロスコープの講習を受けたことが、顕微鏡歯科に関心を持ったきっかけ。拡大視野下だと精密な処置が可能なのはもちろん、映像も記録でき患者さんへの説明にも役立ちます。また資格取得を通じて知識の引き出しが増え、マイクロスコープを使うメリットもきちんとお伝えできるように。それが、治療効果にもつながっていると実感しています。
第二種歯科感染管理者
埼玉県立大学/2017年卒
デンタルクリニックK(埼玉県川口市)
「学んだ知識を生かして院内環境を改善」
入職して3年目のころ、当時のスタッフ全員で第二種歯科感染管理者の資格を取りました。そうして衛生管理についてみんなの理解が深まったところで、院内の洗浄や滅菌のやり方を見直すことに。器具がしっかり洗えているかを確認したり、できるだけディスポ製品に切り替えたりし、さらに自信を持って誠実な診療を提供できるようになりました。
日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士
大阪歯科学院専門学校/1983年卒
医療法人 志結会 おざき歯科医院(大阪府貝塚市)
「苦労した経験もきっと自分の糧になる」
資格取得の際に大変だったのは、症例のデータや資料の整理です。慣れないパソコン作業に苦労しましたが、この経験も社会人としての成長につながりました。日本歯周病学会認定医の院長から、アドバイスをもらえたのも有難かったです。現在は、炎症の細かな変化をとらえるシステムを構築するなどして、専門性を生かしたメンテナンスに取り組んでいます。
まとめ
歯科衛生士の国家資格があれば、歯科衛生士として働くことはできます。
しかし医療の専門化が進む今、求められる人材であり続けるには、スキルや知識の研鑽が欠かせません。認定資格の取得はその手段の一つ。
キャリアプランや深めていきたい分野を考え、ぜひチャレンジしてみてくださいね。