【Q&Aで解説】何日休める? 歯科衛生士の有給休暇事情

求人を探しているとよく見かける「有休消化率100%」や「有休が取りやすい」という言葉。
休診日やシフトでの休日のほかに有給休暇があることは知っていても、詳しくは分からない…という方もいると思います。
ここでは、歯科衛生士の皆さんが気になる有給休暇のポイントや注意点を解説していきます。

*本記事は2022年12月時点の情報です

有給休暇ってなに?

お休みしても賃金が支給される休暇のこと。正式には「年次有給休暇」といい、「有給休暇」または「有休」と省略します。労働基準法に定められた制度であり、規模の大きさや法人化の有無に関係なく、すべての事業所が労働者に付与しなければならないものです。

Q&Aでギモンを解決!有給休暇のウソホント

Q1.「有給休暇がない」と言われたのだけど…

A.「有給休暇がない」という医院はありません

法律により定められた2つの要件(①雇用日から6ヶ月継続して勤務していること ②所定勤務日の8割以上出勤すること)を満たす場合、事業所が労働者に対して有給休暇を与えることは「義務」になります。また、それは正社員だけに限らず、アルバイト・パートなどの雇用形態であっても対象になります。

Q2.有給休暇は就職した後、いつから取れるの?

A.基本的には6ヶ月後からです

Q&A1記載の法律で定められた要件の通り、基本的には6ヶ月後に付与されます。それよりも優遇された内容であれば、事業所独自の規定を設けることもできます。なかには「入職直後から有給休暇取得OK」などうれしい待遇がある医院も。

Q3.有給休暇は何日もらえるの?

A.初年度は基本的に10日間です

Q&A1記載の法律上の要件を満たした場合、基本的には10日間もらえます。また、1年6ヶ月後には11日、2年6ヶ月後には12日…と、その後1年ごとにもらえる日数は増えていきます。ただし無限に増えていくわけではなく、法定上限は20日間と決まっています。また、有給休暇の時効は2年間となっていますので、2年を超えて有給休暇を「ためる・繰り越しする」ことはできません。


※週所定労働時間が30時間未満の場合などは、基準が上記と異なることがあります。

Q4.有給休暇の取り方を教えて!

A.就業規則や医院規定を確認しましょう

有給休暇の取得方法について、法律での定め(決まりごと)はありません。多くの場合、申請方法や期間については就業規則や医院規定で決められており、事前の手続きが必要になります。例えば、「チーフに事前相談の上、申請用紙に必要事項を記入して、取得日の2週間前までに院長に提出」と定めているところなどがあります。

Q5.有給休暇はいつでも取っていいの?

A.業務に支障が出る場合、取得時期変更をお願いされる場合もあります

基本的に労働者は、希望する日に有給休暇を取得することが可能です。ただし、業務に支障が出る場合(全員の有給休暇希望日が重なった、あらかじめ忙しいと分かっている時期があるなど)には、雇用主(医院)から他の日に変更するよう求められることがあります。有給休暇を取得する際は、医院に迷惑がかからない日や時期について、事前に確認・相談をすることが必要です。

Q6.有給休暇をもらっても取れないんじゃ…

A.2019年4月から年5日の“取得”が義務化されました

これまで有給休暇の“取得”は「労働者の権利」となっており、取得するかしないかは労働者の自由でした。しかし働き方改革の一環で法律が改正され、2019年4月からは、10日以上の有給休暇が付与される労働者に対しては“年5日は取得させること”が「事業所の義務」となりました。これにより、①労働者が自由に取得②事業所から計画的に付与③事業所が提案した時季に取得、いずれかの方法によって、年5日は必ず有給休暇を取得できることになります。もちろんこれまで通り、与えられた分をすべて取得してもOKです。

Q7.有給休暇は遊びや旅行に使ってはダメ?

A.有給休暇の取得理由は自由です

病気やけがなどで出勤が難しい場合はもちろん、趣味や旅行といった私用の場合も含め、有給休暇の取得理由について制約はありません。また、取得理由を伝える義務もありません。しかし、有給休暇に限らずお休みを申請する際は、社会人として良識ある振る舞いが大切です。休暇の取得を支えてくれる同僚や院長に配慮した、節度ある伝え方を心掛けましょう。

Q8.求人情報を見るときのポイントを教えて!

A.医院独自の規定や取り組みに注目してみましょう

Q&A2で取り上げたように「入職直後から有休取得OK」と法律で定められているより早く付与したり、「初年度から15日付与」など、法律より多い日数を付与したりしている医院があります。また、そのほかにも「積極的な有給休暇取得を奨励」し「有給休暇取得率100%」の実績がある医院なども。これらの医院は他の人事制度や福利厚生なども充実していることが多く、ゆとりある働き方ができる目安となるでしょう。

ワンポイントアドバイス

仕事仲間への配慮をしっかりと

仕事に支障が出ないように、普段自分がやっている業務や担当患者さんのアポイントのことなどはしっかり引き継ぎましょう。また、不在時に助けてもらった同僚や院長には休み明けのお礼も忘れずに。お互い気持ちよく仕事ができる心遣いが大切です。

計画的に使おう

突然体調を崩したり、不測の事態が起きたりすることもあるかもしれません。そんなとき、有給休暇を使い切ってしまっていると「欠勤」扱いとなり、給与が減る、賞与査定に影響が出る、なんてことも。まさかの時に備えておくことをオススメします。

冠婚葬祭も頭に入れておく

結婚や出産、身内の不幸の際に取得できる「慶弔休暇」を別途設けている医院もあります。ただし、遠方に帰省する場合などはそれだけでは足りないことも。慶弔休暇に有給休暇をプラスして使うのも手です。

まとめ

有給休暇についてのギモンは解決できましたか?
正しく有給休暇を使って、仕事もプライベートも充実させてくださいね。

 

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