“ずっと働ける職場”を見つけよう! |歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#11

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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歯科衛生士とライフプラン

現役の歯科衛生士さんに「なぜこの仕事を選んだのですか?」と尋ねると、「結婚・出産しても仕事を続けやすいから」という答えがよく返ってきます。

恥ずかしながら、私自身の高校時代を振り返ると、そんなに具体的にライフプランを考えてはいなかったような気がします…。
ですので、若いうちから将来のことをしっかり考えて進路を決めているなんて、すごいな!と、いつも感心しながら話を聞いています。

でも、実際には残念ながら、出産を機に仕事を離れてしまう歯科衛生士さんが多いことも事実です。
そこで、どんな職場なら仕事を続けやすいのか、いくつかのチェックポイントを紹介したいと思います。

チェックポイント①:産休・育休の「取得実績」がある

「出産・育児と仕事の両立」に必要な条件というと、真っ先に思い浮かぶのが「産休・育休制度」ではないでしょうか。
でも実は、「産休・育休制度」は、どの職場にも備わっているものなんです。

出産前後や、子どもが幼い期間に仕事を休むことは、法律で定められている労働者の権利や義務なので、「産休・育休制度がない」という職場はありません。
つまり、産休・育休の「制度がある」と書いてあっても、出産後も仕事を続けやすい職場かどうかの判断材料にはならないのです。

一方で、「産休・育休の取得実績がある」、つまり、「先輩の中に、産休・育休を取った人がいる」という情報は、「仕事を続けやすい職場」の一つの目印になります
「制度がある」だけでなく、「その制度をきちんと使える環境が整っている」ということだからです。

なかには、「現在、5名が産休・育休を取得中」や、「産休・育休を3回取得した先輩がいる」などという職場も。
こうした医院であれば、産休・育休は「取るのが当たり前」という風土が根ざしていると推測できます。

チェックポイント②:復帰後のフォロー体制

無事に産休・育休を取り、いざ職場復帰を迎えても、出産前と同じペースで働けるとは限りません。
子どものお世話にはどうしても時間や体力を使いますから、勤務時間を短縮したり、シフトに融通を利かせてもらったりすることも必要となるでしょう。
また、急に復帰するのが不安な場合は、まずは週1日から、など、仕事に戻るペースを調整してもらえるかも大事です。

そして、小さい子どもは体調を崩すことが多いため、急な休みを取らなければいけないこともしばしば発生するでしょう。
少し大きくなると、幼稚園や学校行事などに合わせて休みを取りたい場合もあると思います。
こうした休みの際に快くフォローしてもらえることも、仕事を続けやすい職場の必須の条件と言えます。

なお、一般的には、スタッフの人数が多い職場の方が、柔軟に休みを取りやすい傾向があります
一人の休みをたくさんのスタッフでカバーできるため、一人ひとりの負担が少なくて済むからです。

また、医院の規模に関わらず、「スタッフ用の託児所を設けている」「保育園と提携している」など、保育面でのフォロー体制を整えている職場も増えています。

チェックポイント③:産休・育休中のフォロー体制

チェックポイントの②では「復帰後」のフォロー体制について紹介しましたが、実は、「産休・育休中」のフォロー体制も重要です。

産休・育休を取得すると、長い場合は1年以上職場を離れることもあります。
医療の世界は日進月歩ですから、「復帰したら環境がガラッと変わっていて、ついていけなかった」ということがあり得ます。
そうでなくても、「しばらく休んでいると、なんとなく行きづらいな」と感じる人は多いでしょう。

こうした「復帰のハードル」を下げるために、さまざまな工夫をしている職場もあります。

例えば、以前にある歯科医院を取材に訪れた際、インタビュー対象の歯科衛生士さんが、実は育休中の方だった、ということがありました。
その歯科衛生士さんは、復帰に向けた面談に、お子さんを連れて来院したところでした。
こうした機会があると、子どもの様子についても医院側に把握してもらえるので、シフトの相談などもしやすそうです。

ほかにも、

・産休・育休中に、医院の情報をオンラインで共有している。
・育休中のスタッフが、子どもを連れてよく遊びに来ている。

という職場にもしばしば出会います。

こうした環境であれば、あまり身構えることなく、スムーズに職場復帰ができそうです。

チェックポイント④:ライフプランの相談に乗ってもらえる

ところで、開院してまだ日が浅い歯科医院では、産休・育休の取得などの「実績」はないことが多いです。
そんな場合は、見学や面接の際に、自分のライフプランについて相談してみましょう。
まだ実績はなくても、「これからこんなサポートをしていきたい」といった話が聞ければ安心です。

「条件面のことを詳しく聞いて良いのかな」「すぐに産休を取ると思われて、雇ってもらえないかも」などと不安に思う人もいるかもしれません。
でも、「長く腰を据えて働きたい」という気持ちが伝われば、プラスに受け取ってもらえるはず。
「結婚・出産を経ても、歯科衛生士としてのスキルやキャリアを積み上げていきたい」という前向きな気持ちを、しっかり話してみてください

チェックポイント⑤:子育て中のスタッフがいる

最後にもう一つ、“長く働きやすい職場”を見極めるための、わかりやすいチェックポイントを紹介しましょう。

それは、「子育て中のスタッフがいること」です。
その医院で産休・育休を取ったかどうかに関わらず、子どもを育てながら働くスタッフがいることは、その医院の環境や雰囲気を大きく左右します

子育ての大変さや、仕事との両立の難しさは、やはり当事者が一番よくわかるもの。
自分が子どもを持ったときも、職場内に同じ状況で働いている人がいれば、フォローもしてもらいやすいはずです。

また、子育てで行き詰まったときなどにも、気軽に相談できる人が身近にいると心強いですよ。

まとめ:継続して働ける職場を「最初から」選ぼう

ここまで読んでくださった人の中には、「妊娠したら一旦退職して、落ち着いたら別の職場で復帰すれば良いや」と考えている人もいると思います。
でも実は、「産休・育休後に、職場を変えずに復帰する」方が、良いことがたくさんあるんです。

例えば…

・同じ患者様を継続して診られる(患者様が「復帰を待っているよ」と言ってくれることも!)。
・産休前のスキルや役割を踏まえて再スタートできるので、無駄なくキャリアアップできる。
・慣れた職場で復帰できると、精神的・体力的な負担が少なくて済む(育児と仕事の両立はただでさえ大変なので、省エネは大事!)。

などです。

つまり、新卒で最初に就職する段階から、「長く働きやすいかどうか」をしっかり検討しておくことはとても大切なのです。
せっかく「長く続けやすい職業」として歯科衛生士を選んだのであれば、ぜひ、そのメリットを最大限に生かしてほしいと思います。


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

 

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