歯科医院における保育士|役割や歯科衛生士との関わりは?

歯科における他職種連携と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは歯科医師や歯科技工士との連携だと思いますが、歯科衛生士が協力する職種はそれだけではありません。
医院によっては、医師や看護師、ケアマネジャー、言語聴覚士、管理栄養士などさまざまな職種と連携する機会があります。

今回取り上げるのは、保育士です。
実は保育士が在籍していることは、患者さんはもちろん、働くスタッフにもメリットがあるもの。歯科衛生士の仕事とどんなふうに関わるのか、見ていきましょう。

保育士とはどんな資格?

保育士は、歯科衛生士と同じく国家資格です。
児童福祉法第18条の4には、「保育士とは、保育士の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう」と定められています。
資格を取得するには、厚生労働大臣が「指定保育士養成施設」指定する大学(4年)、短期大学(2年)、専門学校(2年もしくは3年)のいずれかを卒業するか、保育士試験に合格することが条件となります。

保育士の働く場は、保育所や認定こども園のほか、児童クラブ(学童保育)や放課後等デイサービス(放デイ)、児童養護施設、乳児院、病院内・企業内保育所、ベビーシッターなどさまざま。
それでは歯科医院では、どのように活躍しているのでしょうか?

保育士は歯科医院でも大活躍!

歯科医院で働く保育士は、どのような役割を担っているのでしょうか。具体的な仕事内容について、ご紹介していきます。

小児患者の診療のアシスト

子どもと接するプロフェッショナルである保育士の活躍の場は、主に小児歯科。子どもの診療への不安を取り除いたり落ち着かせたりと、歯科医師や歯科衛生士をサポートします。多くの医院では、保育士が歯科助手や受付業務を兼任しています。

成人患者さんの子どもの見守り

小児歯科専門の医院や子どもの患者が多い医院では、保育のためのスペースや施設を併設しているところがあります。さらにそういった医院ではマタニティ歯科や親子での予防など、保護者の治療・予防にも力を入れているケースも少なくありません。
親が治療を受けている間、お子さんを預かって面倒を見るのも保育士の役割です。

スタッフの子どもの見守り

スタッフが仕事をしている間、院内や併設の託児スペースで保育士が子どもを預かるという制度を設けているケースもあります。

小児向けイベントの開催

乳幼児期から歯科に親しむきっかけをつくったり、保護者への情報提供を行ったり。歯並びや虫歯予防のセミナーを保育士と歯科衛生士が定期的に開催している医院もあります。

なぜ、歯科医院に保育士を配置するの?

乳幼児期から歯を大切にする意識を育てるため

泣いたり怖がったりと、小児患者の診療は大人のようにはいきません。
医院に迷惑がかかると思い、子どもを歯科に連れて行くのをためらう保護者もいます。でも保育士がいる歯科医院なら安心して子どもを連れて行けるため、適宜処置やアドバイスを受けられ、口腔内を健康に保つことができます。

そのように保育士がいると通院のハードルが下がるので、予防のために定期的に通う小児患者が増えることも期待できます。歯科医院のイメージも、「痛くなったら行く怖いところ」ではなく「口をきれいにしてもらうために行く楽しいところ」になり、口腔を健康に保つための基本的な意識が自然と身につくはずです。

保護者の治療・予防を続けるため

乳幼児の世話をするのは想像以上に大変です。子どもは動き回るものですから、協力してくれる人がいなければ目を離せません。
歯科医院で処置を受けたいと思っても、子ども同伴ではまず無理。通院を諦めて虫歯を悪化させたり予防を中断してしまったりする保護者は少なくありません。
また、下の子が生まれて外出しづらく、きょうだいの治療・予防が遅れてしまうケースもあります。

でも、保育士がいる医院なら子どもを任せられ、安心して処置を受けることができます。保護者にとって一時的に子どもから離れることはリフレッシュにもなりますし、保育士に子育ての相談ができるのも大きなメリットです。
現代の子育ては保護者ひとり、特に母親に負担が集中して孤独感を抱えている人も少なくありません。保育士のいる歯科医院は、そうした環境下にある保護者のストレスを和らげる役割も果たしています。

歯科衛生士の人材確保のため

患者さんの子どもだけでなく、スタッフの子どもを預かるケースもあります。保育園に空きがなく、育児中に仕事へ復帰することを諦める歯科衛生士も少なくありません。保育士がいる医院なら、保育園に入れなくても子どもを預けて働けます。
自分が働いているそばで子どもを見てもらえれば、安心感も違うのではないでしょうか。
出産しても仕事を続けたい、乳幼児がいるけれど復職したいと考えているなら、スタッフ用託児所のある医院で働くのもひとつの方法です。

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保育士と連携で、よりよい医療を

乳幼児期からの予防意識が高まる中、保育士との連携が今後ますます重視されてくるかもしれません。

特に小児歯科に携わりたいと考えている方、育児と仕事を両立させながら働きたいと考えている方は、職場探しのポイントの一つとして保育士の在籍状況をチェックしてみてください。

 

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