歯科医院の「イベント」の、意外な目的って?|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#15

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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歯科医院にも「夏祭り」がある!?

夏もそろそろ終盤。
お祭りや花火など、いろいろなイベントを楽しんだ人も多いのではないでしょうか。

実は歯科医院の中にも、夏祭りなどのイベントを行っているところがあるんです。

「それって、診療と関係あるの?」
「歯科衛生士がやる仕事なの?」

と、疑問が湧いてくるかもしれません。
でも実は、“お口の健康”と“イベント”は、無関係なわけではないんです。

今回は、そんな「歯科医院のイベント」について考えてみたいと思います。

歯科医院で開催される主なイベント

まずは、歯科医院ではどんなイベントが行われているのか、代表的なものを挙げてみましょう。

【①季節のイベント】

工作やヨーヨー釣りなどを楽しむ夏祭りや、サンタさんがプレゼントをくれるクリスマス会など、季節ごとのお楽しみイベントです。
子どもやファミリーが主な対象です。

【②歯医者さん体験】

主に、小学生くらいの子どもに向けたイベントです。
白衣を着て診療を見学したり、模型を使って治療やクリーニングを体験したり、歯ブラシ指導を行ったりします。

【③歯科セミナー】

歯科に関するさまざまな知識を、一般市民に伝えるセミナーです。
通院中の患者さんだけでなく、地域の人に広く開放されています。

【④院内の飾り付け】

お正月飾りや七夕飾りなど、季節ごとの飾り付けをしている歯科医院も多いです。
イベントとは少し違いますが、「診療とは直接関係のないサービス」という点で似ている部分があります。

さて、こうしたイベントは、何らかの「目的」を持って行われているはずです。
その「目的」とは、どういったものでしょうか?
いくつかに分けて見ていきましょう。

イベントの目的その1:歯科医院に親しみを持ってもらう

「季節のイベント」や「院内の飾り付け」の一番の目的は、「歯科医院に対するイメージを良くすること」です。
「歯科医院って楽しいところなんだ」と思ってもらったり、「気軽に行ってみようかな」という気持ちを引き出したりするために、こうした活動を行っているのです。

また、「歯医者さん体験」も、子どもたちに歯科医院がどんなところで、どんな仕事をしているのかを知ってもらうことで、歯科に興味を育んだり、歯医者さんに対する恐怖心を取り除いたりすることが大きな目的です。

イベントの目的その2:歯科の知識を広める

イベントの中でも「歯科セミナー」は、より直接的に歯科診療に関わるものです。
ただし、患者さんだけが対象なのではなく、地域の幅広い人に歯科の知識を伝えるという点が、通常の診療とは違う点です。

また、「歯医者さん体験」の中でも、子どもたちに正しい歯科の知識を持ってもらうために、歯磨き指導を行ったりします。

イベントの目的その3:地域貢献

歯科医院が開催するイベントには、ほとんどの場合、無料で参加ができます。
歯科医院側からすると、診療とは違って直接的に利益が出るわけではなく、人件費や材料費などを考えるとむしろ赤字です。

にもかかわらず、こうしたイベントを開催するのは、「より多くの人に健康になってもらいたい」という熱い想いがあるからだと思います。
実際に、このようなイベントを行っている歯科医院やスタッフからは、医療人・医療機関としての“責任感”を強く感じます。

また、「地域を健康にしたい!」と地元に深い愛着を持った、地域密着型の歯科医院であることも多いです。

イベントの目的その4:患者さんを増やす

もちろん、イベントをきっかけに新規の患者さんを増やしたり、通院中の患者さんに継続して通ってもらったりすることも、目的の一つです。

目の前の診療だけで短期的に利益を上げようとするのではなく、将来を見据えた経営戦略を立てている医院、と言えるかもしれません。

イベントの目的その5:スタッフの働きやすさアップ

こうしたイベントは、患者さんや地域の人に対してだけでなく、働いているスタッフにも良い影響を与えるようです。

例えば、一つの目標に向けて全員で協力し合うことで、お互いに普段とは違った一面を知れたり、職種を越えてコミュニケーションが深まったりします。
それによって人間関係が良くなったり、団結力が高まったりして、より働きやすい職場環境が生まれるかもしれません。

また、普段の診療だけではどうしてもマンネリ化してしまいがちですが、イベントがあることで仕事にハリが生まれ、モチベーションを維持できるという良さもあります。

イベントの目的その6:スタッフのスキルアップ

イベントを実施するにあたっては、企画、準備、当日の運営、片付けなど、さまざまな工程や仕事があります。
こうした経験を通して、「計画性」「実行力」「交渉力」などの社会人スキルが養われます

イベントのある歯科医院の特徴

一見「単なる楽しいお祭り」に見えるイベントにも、実はさまざまな目的があることがわかっていただけたでしょうか。
こうした目的からは、イベントを行っている歯科医院が「どんな医院か」という傾向も見えてきそうです。

【①予防を重視している歯科医院】

イベントの大きな目的は、地域のデンタルIQを上げ、歯科医院に気軽に来てもらうこと。
これはつまり、「予防」を重視していることの表れです。
イベントのある歯科医院は、予防歯科に力を入れており、歯科衛生士が活躍できる職場だと言えるでしょう。

【②スタッフが楽しく成長できる歯科医院】

イベントを行っている歯科医院は、スタッフの団結力が強く、かつそれぞれが主体的に働いている職場であることが多いです。
一人ひとりが自分の得意分野で力を発揮して、イキイキと成長できる職場だと言えそうです。

まとめ:イベントのある歯科医院は、どんな人に向いている?

イベントを行っている歯科医院は、次のような人にオススメです。

【部活やスポーツに熱中していた人】

チームプレーが得意な人や、みんなで力を合わせて目標を達成するのが好きな人は、イベントにも周りを巻き込んで熱中できるでしょう。

【文化祭の実行委員をしていた人】

コツコツと準備を進めて本番を成功させるのが好きな人は、職場でのイベントでも、きっと楽しく活躍できるはずです。

【工作が好きな人、美術センスのある人】

イベントの設営や、院内の飾り付けなどで力を発揮できるでしょう。

【地域密着型の診療がしたい人】

イベントを通して地域の人とコミュニケーションが図れ、地域に根ざした診療を行えます。

歯科衛生士としての診療に加えて、「イベントスタッフ」や「美術スタッフ」など、別の職種も経験できると考えると、何だかワクワクしませんか?

イベントは、歯科医院の雰囲気やスタッフの様子を知る良い機会です。
参加できそうなイベントがあれば、医院に相談してみましょう!


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

 

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