決め手は“見学”! 先輩歯科衛生士のエピソード紹介|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#20

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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 “何気ない対応” から人柄が伝わる

皆さんは見学で、歯科医院のどんなところを見ようと思っていますか?
歯科衛生士の仕事内容? 設備? スタッフの人間関係?

こうした「職場を知る上で押さえておきたい具体的なポイント」ももちろん大切ですが、それに加えて、自分への受付の対応や、先輩や院長がどのような声かけをしてくれるかも、見学でチェックしておきたいことの一つ。
こうした何気ない会話や立ち居振る舞いにこそ、スタッフや院長の“人柄”が表れるものなのです。

今回はそのような、「見学時の対応の良さが、就職先を選ぶ決め手になった」という先輩のエピソードを、いくつかご紹介します。

エピソード①医院に入った瞬間の“歓迎ムード”

歯科医院を見学に訪れるときには、ほとんどの人が緊張しているものです。

しかしある先輩は、見学先の医院に一歩入ったとたんに、とても感動したのだそう。
その理由は、受付をはじめとした“スタッフの笑顔”。
その場に居合わせたスタッフ全員が、笑顔で目を合わせて、「ようこそ!」という空気感をつくってくれたため、緊張が一気にほぐれたのだと言います。

実は私も、その医院のグループ医院へ取材に訪れたことがあります。
その際、すれ違うスタッフがみんな笑顔であいさつをしてくれたことや、スタッフの一つひとつの動作がとても丁寧だったことが、強く印象に残っています。
ホテルや高級レストランのような「居心地の良いおもてなし」が根付いているのを肌で感じました。

こうした“空気感”は、忙しすぎてスタッフが疲れ切っていたり、仕事内容や人間関係に不満を抱えていたりする状態では、なかなか実現できないのはないでしょうか。
スタッフ自身が、自分の働く環境に満足しているからこそ、こうした笑顔やゆとりが医院全体に浸透しているのだと思います。

そう考えると、“居心地の良い空気感”のある歯科医院は、働いているスタッフの人柄が良いことはもちろん、仕事内容や労働環境が充実していると推測できそうです。

エピソード②就活生の目線に立った声かけ

見学では、

  • 「良い職場かどうか見極めなきゃ」という焦り
  • 「どんな人材か観察されている」というプレッシャー
  • 「診療の邪魔にならないようにしないと」という気配り

などで、どう振る舞えば良いのかわからずに戸惑ってしまう、という人も多いでしょう。

そんな中で「助かった」と多くの先輩が話すのが、スタッフの方からどんどん話しかけてくれることです。
中でも、「どこから来たの?」「部活はやっているの?」など、就活生が答えやすい質問をしてくれると、会話のきっかけになり、質問などもしやすくなりますよね。

このように “就活生の目線で声をかけてくれる職場”は、見学時だけでなく入職してからも、新人さんの立場に立って親身にサポートをしてくれそうです。

エピソード③自由な就職活動を応援してくれる院長

ある先輩は、最初に見学に訪れた医院がとても気に入ったので、「ここで働きたいです!」と院長に伝えました。
通常であれば、「ありがとう。じゃあ内定ね」という流れになるはずです。

特に今は全国的に、「歯科衛生士を採用したい」という歯科医院の数が、「就職したい」歯科衛生士の数よりも多い状態、つまり、歯科衛生士が不足している状況です。

そのため、「ここで働きたい」という歯科衛生士(歯科衛生士学生)が現れ、医院側も「採用したい」人材だった場合は、「他は見ずに、ぜひうちの医院に就職してほしい!」と考えるのが普通でしょう。

ところがその歯科医院の院長は、「いろいろな医院を見てから決めた方が良いよ。その上でうちが良いと思ったら、ぜひ来てください」と言ってくれたのだそう。
医院の希望よりも、就活生の利益や将来を優先して考えて、「ほかも見てみたら」とアドバイスをしてくれたのです。

その先輩は院長のアドバイスを受け止めて、ほかにもいくつかの歯科医院を見学してみました。
でも、最終的にはこの「院長の人柄」に惹かれて、その歯科医院に入職を決めたそうです。

このように、医院の都合よりも就活生のことを大事にしてくれる院長は、きっと、自分の歯科医院で働いているスタッフのことを、とても大切に考えているのでしょう。

見学時の「印象」を記録しておこう

こうした「印象の良さ」は、求人票や求人誌などの情報からはわかりません。
実際に医院を訪れて初めて、自分の目や耳から伝わるものです。
医院見学をする際には、ぜひ、このような「何気ない会話や様子」にも着目してみてください。

しかし一方で、このような「印象」は、時間がたつと忘れてしまったり、他の医院と混同してしまったりしがちでもあります。
そのため、「こんな声かけをしてもらえてうれしかった」「こんな様子が印象的だった」などという感想は、しっかりメモに残しておくことがおすすめです。

そうすることで、後から振り返る際にきちんと見学時の印象思い出すことができ、そのほかの「条件」と併せて職場選びの材料になるはずです。


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

 

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