どんなスタッフルームがお好みですか?|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#27

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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今回のテーマは「スタッフルーム」

医院見学で設備面をチェックする際には、診療室やユニットなど「診療用の設備」に注目する人が多いと思いますが、あわせて確認してほしいのが「スタッフルーム」です。

スタッフルームは、昼休みをはじめ、仕事の合間や前後に、ほっと一息ついて心身を休める場所です。
そこがどんな環境であるかも、「働きやすさ」に大きく影響します。

最近は、スタッフ用の設備や福利厚生の充実に力を入れている歯科医院が増えており、スタッフルームの過ごしやすさもアップしている印象です。

今回のコラムでは、歯科医院にはどんなスタッフルームがあるのか、さらにスタッフルームから読み取れる職場の特徴について詳しく見ていきたいと思います。

標準的なスタッフルーム

まずは、ごく一般的な歯科医院のスタッフルームを紹介します。

配置としては、診療スペースの奥の方など、院内の一部分に「スタッフ用の部屋」が設けられているパターンがよく見られます。

室内の設備としては、「フローリングの部屋+テーブルとパイプ椅子」または「じゅうたん敷きの部屋+大きめのローテーブル」といったところが基本になります。
加えて、電子レンジや小型の冷蔵庫、簡単なシンクなど、昼食を食べるための最低限の設備はそろっていることが多いです。
広さは、その日に出勤したスタッフが全員入る程度のスペースが標準的でしょう。

また、こうしたスタッフルームとは別に、院長室やドクター用の部屋、ロッカールーム、スタッフ用トイレなどが設けられていることもあります。

このような「ごく普通の」スタッフルームを念頭に置きながら、次はもっと特徴的なスタッフルームについて見ていきましょう。

マンションの一室を借り上げたスタッフルーム

歯科医院がマンションやビルに入っている場合、同じ建物の一室を借り上げて、スタッフルームとしていることがあります。
マンションの一戸の場合は、キッチンや洗面所、トイレなどの設備がそろっており、部屋も複数ある場合が多いです。

「生活空間」として設計されているスペースなので、歯科医院の中にあるスタッフルームよりも、ゆったりと過ごせることが多いでしょう。
実際に、「昼食後は和室でお昼寝をするのが日課」なんていう話も聞きます。

また、仕事の場と空間が切り替わることによって、気分転換が図れるというメリットもありそうです。

一軒家を使ったスタッフルーム

さらに一歩進んで、医院の近隣の住宅を、一軒丸ごとスタッフルームとしている場合もあります。

その場合は、マンションよりも、スペースや部屋数にさらにゆとりが生まれます。
また、キッチンの設備もより充実させられるため、「調理スタッフが昼食を提供してくれる」などの福利厚生を用意している場合もあります。

こうしたスタッフルームで仕事の前後や休憩時間を過ごしていると、スタッフみんなで一つの家に住んでいるような、文字通り「アットホーム」な人間関係が生まれやすいでしょう。
診療が終わってスタッフルームに戻ってきたら、思わず「ただいま〜」と言ってしまいそうですね!

セミナールーム兼用のスタッフルーム

こうした「リラックスできること」とはまた違った方向性で、充実した環境のスタッフルームもあります。
院内や別棟に「セミナールーム」という勉強用の部屋が設けられており、普段はそこをスタッフルームとして使っているケースです。

大型のモニターや、多数のテーブル・椅子などが設置されていたりと、「学校の教室」のようなイメージに近いかもしれません。
こうしたセミナールームでは、スタッフの勉強会だけでなく、患者さん向けのセミナーを行うこともあります。

また、セミナールームは大勢が集まれる空間のため、スタッフもドクターも、そこで一緒に昼食を取る場合が多いようです。

こうしたことから、セミナールームをスタッフルームとして使っている職場からは、「アットホーム」という印象よりも、「人間関係がオープンな、風通しの良い風土」を感じます。

さらに付け加えると、セミナールームは勉強するための部屋なので、参考書籍などが備わっている場合もあり、食後の勉強や調べ物もしやすそうです。

一人ひとりのデスクがあるスタッフルーム

中には、歯科衛生士一人ひとり用に、個別の「デスク」を設けている職場もあります。

ドクターが自分専用のデスクを持っている歯科医院は比較的多く見かけますが、歯科衛生士にも、という職場には滅多に出会いません。
歯科医師と並ぶ「プロフェッショナル」として、歯科衛生士の専門性の高さを尊重していることの表れでしょう。

こうした職場では、昼食は基本的には自分のデスクで食べ、食後は勉強に取り組んだり、自分の好きなことをしたりして過ごす人が多いようです(もちろん互いに仕事の相談をしたり、雑談で盛り上がったりということはあります)。
例えるなら、「図書館の自習室」のような雰囲気と言うと、イメージが湧きやすいでしょうか。

「自分の時間を大切にしたい」「勉強のために昼休みを有効活用したい」という人には、こうした環境がうってつけでしょう。

そのほかの特徴的なスタッフ用設備

トレーニング設備のあるスタッフルーム

福利厚生でスポーツジムの割引利用ができる職場はときどき見かけますが、なんと院内に、ランニングマシンなど、スタッフ用のトレーニング機器を設置している歯科医院も存在します。
スタッフの健康管理を大切に考えているからこその設備でしょう。
「運動不足が気になるけど、仕事帰りにジムに行くのはちょっと面倒だな」という人には、こうした環境だとうれしいですね。

オープンラウンジ型のスタッフルーム

以前に取材に訪れたある歯科医院は、院内のスタッフ専用フロアにソファーやテーブルが点々と設置されており、ホテルのラウンジか、スタートアップ企業のオフィスのようなオシャレな雰囲気でした。
スタッフが思い思いに集まって昼食を食べたり、グループごとにミーティングを行ったりと、自由に使える空間だそうです。
壁には一面に歯科関連の書籍が並んでおり、自由に閲覧できるようになっていました。
こうしたスタッフルームがあれば、仕事や勉強へのモチベーションがグッと上がりそうです!

見学の際は、スタッフルームをぜひチェック!

ここまで見てきたように、スタッフルームにもさまざまなタイプがあります。

「診療空間」には大きな違いが見られなくても、意外とバックヤードの設備に、「その医院らしさ」が現れるものです。
スタッフルームを見て「ここなら過ごしやすそうだな」と感じたら、それが「自分に合った職場」なのかもしれません。
医院見学の際には、診療室だけでなく、可能であれば、スタッフルームの見学もお願いしてみることをオススメします!

また、当たり前のことですが、スタッフルームを充実させるためには、費用や空間が必要です。
しかも、診療用の設備のように、売上や利益に直接つながるものではありません。
にもかかわらず、スタッフ用の設備にしっかり投資をしているのは、スタッフを大切に考えていることの証拠と言えるでしょう。

こうした視点を持って院内を見回してみると、診療とはまた違った面から、「どんな医院か」ということがつかめるかもしれません。


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

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