「働き始めると、勉強が楽しくなる」理由とは?|歯科衛生士知っとこ!職場の見極め塾#34

こんにちは!ライターのヤナギです。 これまでに10年以上、クオキャリアでたくさんの歯科医院を訪問したり、記事を執筆したりしてきました。
その経験から、歯科衛生士の皆さんに「自分に合った職場を選ぶためのヒント」をご紹介します。

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「働き始めると、勉強が楽しくなる」って、ホント?

皆さんは勉強が好きですか?
「好き!」と答える人は、少ないかもしれません。
むしろ、「苦手」「嫌い」「面倒くさい」という声の方をよく耳にする気がします。

でも実は、「学生時代は勉強が嫌いだったけれど、働き始めたら好きになった」という先輩が多いんです。
今回の記事では、とある歯科衛生士【Aさん】【Bさん】2人のケースを例に、その理由を掘り下げて考えてみたいと思います。

学生時代と歯科衛生士になってからの勉強の違い その1|自分が興味のある分野かどうか

歯科衛生士の資格を取るためには、国試の出題範囲となる分野をまんべんなく勉強する必要があります。

でも、実際に仕事を始めたら、

【Aさん】審美歯科に興味があるから、ホワイトニングの勉強会に参加しよう
【Bさん】歯周病治療を究めたいから、SRPのコツを先輩に聞いてみよう

というように、
自分が関心のある分野をピンポイントで勉強できるのです。
そのため仕事を始めてからは、勉強が「やらされるもの」ではなく「自分から進んでやるもの」に変わってきます。それが、学生時代の勉強と仕事を始めてからの勉強の、大きな違いの一つです。

それからすると、学生時代の勉強でも、まずは自分が興味のある分野から手をつけると、モチベーションが上がるかもしれません。

学生時代と歯科衛生士になってからの勉強の違い その2|何に役立つかが明確かどうか

2つ目の大きな違いは、役に立つ場面を具体的に思い浮かべながら勉強ができるかどうかです。

【Aさん】ホワイトニングについて患者さんから質問された時にスラスラ答えられるように、本を読んで知識を増やそう
【Bさん】歯周病がなかなか改善しない患者さんがいるから、歯石の取り残しがないようにSRPを練習しよう

など、診療の場面をイメージしながら勉強ができると、やる気が湧いてくるはずです。

そして、実際に

【Aさん】自分の説明でホワイトニングを受けてもらえて、歯が白くなって喜んでくれた
【Bさん】患者さんの歯茎の状態が改善してきた

というように、目に見える成果につながると、さらに勉強が楽しくなりそうです。

学校での勉強がつまらないなと感じたときには、「実際の診療のどんな場面で役立つのかな?」と具体的にイメージしてみることがおすすめです。

学生時代と歯科衛生士になってからの勉強の違い その3|関連性が見えるかどうか

3つ目の違いは、仕事を始めると、「分野同士」「知識同士」がどのようにつながっているのかを理解できることです。

例えば、毎日診療をしていると、次のような場面に遭遇します。

【Aさん】ホワイトニングを希望している患者さんがいるけれど、知覚過敏なのでホワイトニングができない
 →まずは知覚過敏を改善しよう
 →そのためにはどんな成分が入っている歯磨剤を選べば良い?
【Bさん】SRPを繰り返しても、歯周病がなかなか改善しない患者さんがいる
 →話を聞いてみると、「最近口が乾いて困る」と言っている
 →これって何か別の病気が隠れているのかも? もしかして糖尿病?

このように診療では、主訴や今起きている症状を解決するために、関連する別の分野の知識が必要になることも多くあります。
こうした経験を重ねると、「この知識は、こういう症例に関係してくるな」とイメージできるようになるので、勉強へのモチベーションが上がるのです。

学校で、特に基礎分野を学んでいると、「こんなことを覚えても、臨床では役に立たないんじゃない?」という思いが頭をよぎることがあるかもしれません。
そんなときには、「この知識は、どんな患者さんに関係してくるだろう?」と視野を広げて関連するケースについて考えてみると、頑張って覚えようという気持ちが湧いてくるかもしれません。

「勉強が、“より一層”楽しく感じる職場」の特徴

ここまで、「学生時代と比べて、なぜ、就職後の勉強が楽しいのか」を考えてきました。
でも実は、その“楽しさ”の度合いは、職場環境によっても左右されます。

どうせなら、「勉強が“より一層”楽しく感じる職場」で働きたいという人が多いでしょう。
そうした職場を見極めるためのポイントを3つ挙げてみます。

特徴1 興味のある分野の勉強ができる職場

先ほど解説したように、自分が興味のある分野の勉強は、自然とやる気が湧くものです。
例えば「ホワイトニングコーディネーターの取得を目指せる」「外部講師によるSRPのトレーニングが受けられる」など、自分が関心のある分野の知識や技術を深められる環境であれば、勉強が一層楽しくなりそうです。

特徴2 勉強したことを積極的に実践できる職場

これも先ほど見てきたように、学んだことが成果につながると、モチベーションが上がります。
「ホワイトニングの症例が多い」「患者担当制で歯周病治療ができる」など、勉強したことを実践しやすく、結果が見えやすい職場であれば、学ぶ面白さをより強く実感できるはずです。

特徴3 サポート体制がある職場

新しいことにチャレンジするときには、誰でも不安があるはずです。
「慣れないうちは、ホワイトニング装置のセットを先輩が一緒に確認してくれる」「歯石の取り残しがないかを院長がチェックしてくれる」など、バックアップ体制がしっかりある職場であれば、「新しいことを勉強したい」「思い切って挑戦してみよう」という意欲が一層湧いてくるでしょう。

まとめ:勉強が楽しいと、人生がお得になる!?

歯科衛生士になるには国家資格が必要ですから、そのための勉強が不可欠です。
また、資格を取った後も、医療の世界は日々進歩しているので、継続的な勉強が必要とされます。

つまり、歯科衛生士としての人生を歩んでいく上で、「勉強」は、避けては通れないものなのです。
どうせなら、勉強を「面白い」「楽しい」と捉えて前向きに取り組めれば、自分もストレスが少ないですし、患者さんにも喜んでもらえますし、周りからも評価されますし、良いことしかありません!
これ、とっても「お得」な習慣と言えるのではないでしょうか。

勉強を楽しむ心構えを身につけ、そして、自分が「勉強したい」と思える職場を選んで、お得に人生をエンジョイしましょう!


ヤナギ

ライター、インタビュアー

2010年よりクオキャリアのさまざまな媒体で歯科医師・歯科衛生士の取材や、求人原稿・インタビュー記事の執筆など、のべ6,000件以上を担当。歯科業界の採用事情に精通している。

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