臨床実習って何するところ?|歯科衛生士学生 学校生活の極意【臨床実習編】#1

歯科衛生士学生の皆さんが、学生生活の中で必ず直面する「臨床実習」。
これから実習に行く方が感じている不安や、実習中の方が感じている疑問について、太陽歯科衛生士専門学校の山田美穂先生に伺いました!

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プロフィール

山田美穂 先生(Yamada miho)
太陽歯科衛生士専門学校 教務課長・夜間部専任講師
日本ヘルスケア歯科学会認定歯科衛生士

山田先生のインタビュー記事はこちら→https://www.webqua.jp/pocket/school/3096/

★太陽歯科衛生士専門学校(東京都荒川区)
https://www.taiyodhs.ac.jp/
昼間部・夜間部があり、セカンドキャリアを目指す学生や働きながら通う学生も多数。
ユニットやファントムなどの実習設備が充実しており、希望者は課外時間に実践練習を積むことができる。学生一人ひとりに合わせた親身な指導も特徴。

 

臨床実習って何するところ?

はじめに

今回より、4回にわたり歯科衛生学生のみなさんへ“学校の先生”という立場から、また20年以上先輩の歯科衛生士としての立場から、いくつかお話をさせていただきたいと思います。

私は専門学校を卒業後、一か所の歯科医院で約10年の臨床経験を経て、現在は教員をしていますが今でも臨床現場との繋がりは強く、かなり臨床に近い学校の先生です。

みなさんの学生生活や新人歯科衛生士としてのスタートへ向けて、この連載が何かしらのヒントになれば幸いです。

実習場所の主役は?

まず、初回は「臨床実習の意味」について考えてみましょう!

臨床実習とは一体何をするところでしょうか?

「アシスタントワークを習得する」
「患者さんにSRPをできるようにする」
「現場を学ぶ!」

いろいろな声が聞こえてきそうです。

まずここで何でも良いです、何か目的を言えたあなた!素晴らしいです。
実習場所は学校によってそれぞれだと思いますが、基本的には一般診療室や大学病院での実習になりますね。

さぁ、診療室での主役は誰でしょうか?
例えば専門学校や短大・大学など学校の中では、講義を受けたり、ファントム実習や相互実習をしたりするときの主役は、みなさん「学生さん」です。学校の先生方が、みなさんのためにスライドを作ったり、器具を準備したりしてくれて授業が行われますね。

では臨床実習ではどうでしょうか?
みなさんのために患者さんを用意したり、器具を準備してくれて手取り足取りつきっきりで【練習】が行われるでしょうか?ん〜そうでもなさそうですね…。

最優先は患者さん

時々こんな声を学生さんから聞くことがあります。

「実習生を受け入れているのに何も教えてくれない」

あなたはどう思いますか?

「やらせてくれない」「教えてくれない」と訴えてくる学生さん、一見『積極的』に聞こえますが、実習担当者に様子を伺うと実は「自ら声がけをすることもなく、質問もされない」なんてことがあります。
全ての医院で、全ての実習担当者が「今日は何がしたいですか?」「これをやってみましょうか」「何かわからないことはありますか?」などと事細かに関わるのは難しいです。

【受け身】ではなかなか充実した時間は過ごせません。
なぜならば、臨床現場での最優先は「患者さん」だからです。
診療室では患者さんの病気を治すために、患者さんの健康を守るために日々、歯科医師や歯科衛生士が治療やケアをしているのです。そこへみなさんはある意味「お邪魔させていただいている」わけですね。

教えてもらうより「学び取る」ところ

ではもう一度、臨床実習とは何をするところでしょう?
「何かを教えてもらいに行く」というよりは「何かを学び取りに行く」という表現が良いかもしれません。

自ら、現場への興味を持ち「知りたいこと」を探しに行きましょう!
いくつかの医院で実習することができるのであれば『社会科見学』をするつもりで飛び込んでいきましょう!
みなさんの「ワクワクする気持ち」や「知りたい!学びたい!」という気持ちはちゃんと相手に届きます
反対に「めんどくさいな」「早く終わらないかな」「なんか指示してよ」という気持ちもバッチリ相手に伝わります。

目的を持って取り組もう!

よく実習先の担当者の方から「もう少し積極性があると…」とか「質問があまりない」などと言われてしまう学生さんもいます。
では【積極性】ってなんでしょう?

当人に聞いてみると「質問した方がいいのはわかってるけど、わからないことがわからない」という答えが返ってきたりします。強く同感!という方もいらっしゃるかもしれませんね。
やる気がないわけじゃない、でもどうしていいかわからない。そんな学生さんは近年とても増えているように思います。ちょっとしたことはスマホひとつで解決してしまう世の中ですから、「疑問を持つ」ことに慣れていないのかもしれません。

しかし、見学ひとつとっても「目的」を持って見学するだけで「なぜ?」に当たりやすくなります。「あれ?なんで今これ使ったの?学校で習ったのとは違かった。」とくれば、さぁ質問です。場合によっては「では調べてきてください」なんてこともあると思います。勉強です。

【教えてくれるのが当たり前】は学校の中だけ、学生の間だけです。卒業すれば【医療を提供する】人になるわけですから、その立場として院内でどのように患者さんに対して、スタッフの皆さんに対して関わっていくべきなのか、しっかり学んでおきましょう!

臨床実習をただ『単位取得』のための「こなす時間」にするのか、卒業して現場に出た時に役立つことをしっかり身に付けて来られるか…全てあなた次第なんです。

さぁ、あなたは臨床実習で何をしますか?

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