あなただけじゃない!頑張る社会人学生アレコレ|歯科衛生士学生 学校生活の極意【社会人学生編#4】

これまでたくさんの学生を指導してきた太陽歯科衛生士専門学校の山田美穂先生が、歯科衛生士学生の皆さんが感じている悩みや不安にお答えします。

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あなただけじゃない!頑張る社会人学生アレコレ

4回目となる今回は、学校生活を「どう過ごしていたか」「どんなことを意識していたか」「そもそもどんな気持ちで通っていたか」などの【実際】を社会人学生の先輩になる卒業生にヒアリングしてみました。

「コロナ前」と「コロナ禍」そして「コロナ後」

今回話を聞いた卒業生たちの時間軸を見た時に、「コロナ前」「コロナ禍」そして現在在学している学生たちの「コロナ後」で感じが違うかな…と思ったので、分けてお話ししてみたいと思います。

「コロナ前」に学生時代を過ごした社会人学生の先輩に、話を聞いてみた

相互実習ができるのが当たり前、臨床実習に行くのが当たり前な頃です。
学生さんによってそれぞれではありますが、歯科助手経験をしている方達にとってはワクワクしたり、そうでない方々にとっては緊張のドキドキでしかなかったり。でも人の口腔内に触れたり、器具を使って施術をする経験は大事なステップとなります。そして学校に来れば、仲間たちと情報交換、愚痴ったり笑ったり校内の活気もありました。

当時、自分の知識や技術に自信がなかったとある学生さんは、予習復習にかなり取り組んでいたようです。とはいえ、私の所属は夜間部。学生さんの授業終了時刻は20:40です。ちょっと質問したり片付けをしていれば、学校を出る頃には21:00を過ぎてしまいます。
「いつ予習や復習の時間を取っていたの?」と聞くと、初めは帰ってから夜中(時には明け方)まで勉強をしていたそうです。でも翌日は仕事で朝から出勤、夕方から学校、という生活サイクル。みなさんはこの生活をどう思いますか?

プラス、技術は練習あるのみですので、授業前後に自主練習を入れて、技術の向上にも励んでいました。
でも、しばらくするとこの学生さんは、これだけ頑張っているのに成績も上がらず「身になっていない!」と気づくんです。そして、朝型の生活に切り替えます。帰ったら食事をしてお風呂に入りリラックス。翌朝の勉強道具を準備して就寝です。翌朝は4:30〜5:00には起床して体を目覚めさせ、出勤前に勉強をする。初めから上手くいったわけではなかったそうですが、自分で自分を理解し生活リズムの改善まで行ったこの学生さん、素晴らしいですね!なかなかレベルの高い例だったかもしれません。

日々の勉強の時間はどうしても夜中に集中してしまいがちですが、翌日の試験に対する「一夜漬け」なら通用しても(本来意味ないですよ?)、国家試験には不向きです。さらに言えば、国家試験は朝早くから実施されます。わかりますよね?夜型生活では、眠くて朝から力を発揮できない可能性が出てくるわけです。

「コロナ禍」に学生時代を過ごした社会人学生の先輩に、話を聞いてみた

コロナ禍に入っての学生さんたちは本当に苦労したと思います。相互実習は中止され、臨床実習も期間が短く、口腔内に触れることも許されない時期が続きました。
学校への登校すらままならず、講義はオンラインで友達とも会えない。この頃在籍していた社会人学生さんに話を聞くと、「オンライン授業は前後の時間を有効活用できたので、ある意味助かった。」と、利点と受け取っていた部分もあったようです。

また、「コロナの制限で実習がほとんどできなかったから、卒業しても何一つ自信を持てる施術がない!」といったことを話してくれました。
それでも仕事と学校を両立させて頑張れたのはなんで?と聞くと、「歯科衛生士になるって決めたから!!」と力強い返事。「10代の頃だったら、この状況に挫折してしまっていたかもしれないけど、今回は本気で歯科衛生士になるという目標を立てられたから、挫折なんてしてる暇なかった!」と。やはり『目標を持つ』『夢を持つ』強さと心への影響力を感じました。

また真逆で、学校へのモチベーションは下がる一方でも、臨床実習が少し緩和された時に『現場の楽しさ』に目覚めた学生さんもいました。
学校でのことはなかなか上手くできず、我々に注意されることもしばしば(笑)。しかしこの学生さんは現在、歯科衛生士としてのスタートを楽しみ、日々成長し続けています。
時期は違えど、やはり『目標』ができたのですね。

「コロナ後」に学生時代を過ごしている社会人学生に、話を聞いてみた

現在です。本校に入学する前にコロナ禍を経験してきている学生さんです。
夜間部の場合は社会人経験のある方が多いので、前職でも色々な意味で苦労はしてきているとは思います。医療現場では感染症の脅威があるなか、歯科においては工夫しながら比較的安全に医療業務が行えたのではないでしょうか。その安定に魅力を感じ、歯科衛生士を目指した方も多いのかもしれません。
しかしながら、現在の学生さんは「自分に自信が持てない」方が多いなと感じています。また、その自信をつけるために何をしたら良いかを「考えること」も苦手のようです。もちろん、先に述べたように目標をしっかり持ち、モチベーション高く頑張っている方もいます。では、どうしたら自信を持って何事にも取り組めるようになるのでしょう?もうなんとなく見えてきましたかね?

自分に自信を持てるようになるために必要なこと

【目標を持とう!】大きな目標から、そこへ向かう小さな目標をクリアしていこう
【努力をしよう!】自信をつけるには練習あるのみ!そして繰り返し学ぶしかありません!

ひとつずつでもクリアすれば自信の積み重ねになります
「“目標と努力”を失わないこと」これが頑張っている社会人学生さんたちの共通項です。

私は夜間部の教員なので話を聞けたのは夜間の卒業生ですが、それぞれの生活背景によって自身の学びの時間をいつにするかは変わってくると思います。
日中仕事をしていたり、大学に通っている方ならば、必然的に夜間部になりますし、中高生のお子さんがいる方であれば、部活が終わって帰ってくる頃に帰宅できる昼間部の方が、都合が良い方もいらっしゃいます。
その中で自学自習の時間をどう確保するか。いずれにせよ【デュアルタスク】な毎日を送っているわけですから、体調管理や気持ちの維持は重要になりますね。

そんな大変な毎日を送ってまでも『歯科衛生士』を目指すみなさんは、本当にカッコ良いです!
私には応援することしかできませんが、みなさんが自身の夢を実現できることを祈っています!!めげずに最後まで走り切ってください!そして私たちと一緒に歯科衛生士として患者さんの健康を守っていきましょう!!

先生紹介

山田美穂 先生

太陽歯科衛生士専門学校 教務課長・夜間部専任講師
日本ヘルスケア歯科学会認定歯科衛生士

やまだ みほ/休日の楽しみは愛犬とのんびり過ごすこと。「水曜どうでしょう」を観て笑い、疲れを吹き飛ばすのも自分流のリフレッシュ法。
★山田先生のインタビュー記事はこちら

学校紹介

太陽歯科衛生士専門学校(東京都荒川区)

昼間部・夜間部があり、セカンドキャリアを目指す学生や働きながら通う学生も多数。
ユニットやファントムなどの実習設備が充実しており、希望者は課外時間に実践練習を積むことができる。学生一人ひとりに合わせた親身な指導も特徴。
★学校HPはこちら

 

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