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歯学部生エディターズが教える 歯科臨床実習のイロハ 歯学部コミュ

歯学部生エディターズが教える 歯科臨床実習のイロハ

低学年の歯学部生に送る! 歯科臨床実習の心得 #3

歯学部生なら必ず経験しなければならない臨床実習。
「実際どんなことをするんだろう…」「ちゃんとできるかな…」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで第3回は、臨床実習体験者の先輩として、歯学部生エディターズのゆーりさんに、臨床実習を行う前に知っておきたいイロハを教えてもらいました! 参考にしてみてください。

臨床実習のイロハ

CBTやOSCEを終えた学生にとって病院実習は不慣れなことも多いのではないでしょうか?

実家が歯科医院だったり、歯科助手アルバイトをしている場合だと立ち回り方やコミュニケーションの取り方がわかりますが、全員がそうとも限りませんよね。

これから病院実習に取り組む学生さんにとって役立つことを何点かお伝えしたいと思います。

イ:実習テクニック

「手」と「目」の使い方についてざっくりと解説します。

●「手」について
ストロークの大きさを調整することが大事です。
セメントや印象材練和の際には、手を動かして粉と液を混ぜることが求められます。ですが、歯の治療では繊細な技術を求められるため、レストを置いて指の可動域を狭めることがミリ単位での操作に結びつきます。
コツは中指と薬指をくっつけて親指と人差し指を細かく動かすイメージです。

●「目」について
歯科医師と歯科助手で見える視点が異なることを理解してますか?
「座っている位置が違うから当然だから分かる」と思うでしょうが、バキュームをどの位置で置くのがよいか、イメージできていますか?
術野を確保するためにどうするべきなのかは、時と場合によります。舌圧が強い場合は舌を押さえる。口の中で水が溜まりすぎないように臼歯部側から添えて吸い出す。歯の治療をしている先生の視野を防がない立ち回りが求められます。

ロ:コミュニケーションの取り方

臨床実習が始まると、コミュニケーションの対象者が増えます。
「先生を含む病院職員」と「患者さん」です。

●先生を含む病院職員
今までは座学や模型実習を通じて関わり合う存在から、患者さんを治療するという明確な目的を達成するためのチームに変わります。

歯科医師の先生一人で治療が完結する訳ではありません。歯科衛生士や歯科技工士、受付の方、備品管理の方、掃除の方などさまざまな業種の人が病院という組織を構成しています。実習に参加するあなたもその一員となります。

大切なのは「自分一人で解決しようとしないこと」です。
まだ〝病院実習〟を認められただけであって、診療行為を認められている訳ではありません。歯科医師としての資格や素養を身につけている途中段階として、分からないことを分からないとして認めること、そしてその疑問を解決するために他の人に頼ることを気兼ねしないことが大切です。

そして「理不尽に思えることを俯瞰して捉えること」です。
同年の友人が社会人として社会の荒波に揉まれています。一方で自分は、学生の身で医療施設という狭い縮図の中で対人能力を養う必要があります。その中で関わり合う人たちがどういった仕事をしているのかを理解した上で接することが求められます。
「どうしてこの先生はこんなに不機嫌なのだろう」「どうしてこの技工士さんはいるべき時間にいないんだろう」。それぞれの立場で抱えている仕事や事情が異なる中で、自分の都合だけを押し通すことはできません。
「ま、この人はこういう人なんだな」という割り切った捉え方も求められます。もちろん逆に周りの人からあなた自身が捉えられることも忘れずに。

●患者さん
何か悩みを抱えている人にとって‟まず“必要なのは何だと思いますか?
多くの人が「解決すること」と答えると思いますが、それは最終ゴールです。
〝まず〟必要なのは「悩みを適切に理解してくれている」と相手に思ってもらうことです。

患者さんは、病院に来るという時点で何かしらの歯に関する悩みを持っています。その悩みや苦しみについて適切に理解する素養は、CBTに合格していることで証明されているはずです。
ですが、「相手」がそう捉えていなければ意味がありません。

患者配当で継続して通われている患者さんをに対しての魔法のアドバイスを一つお伝えしましょう。「前回から○ヶ月経っていますが、あの時は△△でしたね、いかがですか?」の一言を添えてください。
△△の内容は何でもいいです。前回の治療の際に伺った歯の悩みや雑談、その時の状況について、あなたと患者さんで共有できる話題があるはずです。その中でその当時について思い起こせることを伝えることで、「この学生は私との会話を覚えているんだ」という「理解してくれている」という実感に繋がります。もちろん歯のお悩みを解決することも大事ですが、そこは担当の先生との協力のもとに行ってください。

ハ:症例を通じての学び

私の大学では生徒一人あたりに配当される患者さんは10人前後でした。病院実習で担当させていただいた患者さんのことは今でも覚えています。
そこで得られる学びは、臨床実地問題の「実例」です。

入れ歯が壊れた時にどの手順で修理するのか。国家試験だから、臨床の現場だからとして治療手順が大きく変わりません。
また、治療に使われた材料も何故その材料が適切なのかを考えることは、一般問題の「暗記」にも繋がっていきます。
一人ひとりの患者さんの治療を通じて得られる経験はあなただけのものなので、その経験を有意義に活用することが、治療に協力してくださっている患者さんに対する恩返しともいえます。

病院という組織の一員となること、実際に手を動かすことで見えてくる将来設計像や理想と現実とのギャップなど、熱心に取り組めば取り組むほど得られるものが多いはずです。

学生のうちにできなかったことを自覚せず社会に出てから失敗しても、自己責任となってしまいます。学生という立場だからこそ学びを得ることこそが仕事ですので、積極的に挑戦してみてください。

ゆーりさんの実体験から教わるイロハ、ぜひ参考にしてください!
次回は、先輩たちから臨床実習の裏技を教えてもらいます!

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