
先輩50人が語る やってみて分かった歯科臨床実習のリアル
低学年の歯学部生に送る! 歯科臨床実習の心得 #1 会員限定歯学部生なら必ず経験しなければならない臨床実習。
「実際どんなことをするんだろう…」「ちゃんとできるかな…」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、すでに臨床実習を経験した5~6年生の先輩歯学部生に50名に、後輩に伝えたい臨床実習の心得を聞いてみました!
第1回のテーマは、経験したからこそ分かる臨床実習の実態。意外と雑談力が必要? レポートは手書きが基本? などなど、気になるエピソードが集まりました。
1. 臨床実習を始めたばかりの頃に困ったことは?
●患者さんがいらしたときに何とお声がけすればいいのかすら分からず、いらっしゃいませと言いかけました(長崎大学6年生)
●見学時の自分の立ち位置です。先生によって「もっと見ていいよ」とか、「そこで立ってて(全然見えない場所)」とか言われることが違い、結構困りました(愛知学院大学6年生)
●外来に置いてある機材の場所を知らないので、「◯◯持ってきて」と言われたときにどこにあるかわからず苦労しました(岩手医科大学6年生)
●臨床実習ならではのルールがわからない! 先生に「これやってからでしょ!」と言われてもそんなの知らないよ…!というのが多かった(東京科学大学6年生)
●立ちっぱなしで足腰が痛くなること(九州大学6年生)
●私の大学は、自分で自分が見なければいけない処置を探して見学やアシストの予約をするというシステムなので、慣れるまでは予定管理が大変でした(大阪大学5年生)
●先生に言われる器具や材料の名前がまったくわからなくて、たくさん衛生士の方に聞きました。そもそも器具や材料についての知識が身についてなかったので、もっと勉強しておけばよかったなと思いました(東北大学6年生)
●歯科助手のバイトをしてる人と比較して、動き方やバキュームの仕方などで出来の差を感じてしまった(明海大学6年生)
2. 臨床実習を始めてびっくりしたことは?
●実習前から難しい、できないと思い込んで不安になっていたが、勇気を出して自分からできることをちょっとしてみるだけでも気持ちの余裕や自信につながるとわかった(大阪大学6年生)
●患者さんによっては学生の見学がNGの場合がある(神奈川歯科大学5年生)
●3時間が一瞬で終わること(東京科学大学6年生)
●治療が教科書通りではないこと! 先生によって色があるし、患者さんのことを第一に考えて治療をしない選択を採ることも多いということに驚いた(明海大学5年生)
●患者さんが優しい! しんどいこと、つらいこともあるけど患者さんのためにも頑張ろうと思えます(新潟大学5年生)
●既往歴を正確に知ることは難しいと感じました。尋ねたときに忘れていたり言いたくない病気だと、知ることができないと実感しました(大阪歯科大学6年生)
3. 臨床実習レポートの頻度や内容、分量は?
●基本的には手書きのものが多かったです。通年で3クールありますが、毎週のように何かの課題に追われていたと思います(日本大学松戸6年生)
●手書きのレポートだったので大変だった記憶がある。臨床科目のそれぞれにレポートが課されており、量が多いなと感じていたが、教科書を読んだり、友人と症例について話し合うことで、知識は定着したので有意義だった(日本歯科大学6年生)
●レポートは各科あって、分量はさまざまですが諮問を受けに行かないとハンコがもらえなかったり、自分は早めに書いてても先生の出張と重なってしまったりして期限に追われて焦ったりします!(福岡歯科大学5年生)
●補綴系については実習期間中に先生に言われたテーマに関するレポートを10個提出しなければならなかった。また治療計画を3つ以上自分で考えて提出するというのもあった。書き方は手書きでもパソコンでもどちらでも良かった(東北大学6年生)
●口腔外科はwordで入院症例について、十数枚のレポートを書いた。他の科はほぼなし(九州大学6年生)
●先生によってはレポートをどれぐらい見てくれるか変わるので、全く見てくれない先生ではあまりレポートは意味をなしていない(新潟大学5年生)
4. 臨床実習中、教授や講師の先生と良い関係を築くコツは?
●とにかく元気よく!!!やる気を見せる!!!(長崎大学6年生)
●わからないことはしっかりと聞くこと。外来でわからないと言うと、何で事前ディスカッションで聞かなかったのか怒られる(新潟大学5年生)
●提出物をしっかりと出す。基本的に真摯に真面目に取り組む。受け答えははっきりと(九州歯科大学6年生)
●わからないことがあってもごまかさない。特に疑問点等がなくても、質問ある?と聞かれたら何かしら聞く(北海道大学5年生)
●雑談をうまく交えながら、先生の応答にしっかり答える(鹿児島大学6年生)
●とにかく先を見据えて行動すること。この先生は次に何の道具がほしいのか、何を使うのかを予測しながら動けると、「気が使える」と思われて気に入られます(岩手医科大学6年生)
●年齢や学年も近いため、研修医さんと仲良くなってそこから情報を得たりすることが多い(広島大学5年生)
●やはり雑談力かと思います。教えを乞えば応えてくださる先生が多かったように感じます(福岡歯科大学6年生)
5. 臨床実習での個人的マストアイテムは?
●広い心(日本歯科大学新潟5年生)
●自分に合ったグローブ。種類によってははめにくい物もあり、先生にいきなり患者さんを診てと言われて焦って付けるときに破れてしまったり、手汗ではまらなかったりして大変だった(愛知学院大学6年生)
●ジェットストリームの黒と赤2色のボールペン! 青が入っている3色ペンもありますが、青は意外と使わないし、2色だと間違えて他の色にしちゃった! ってこともないので先生にも貸しやすいし、とっても便利です(福岡歯科大学5年生)
●先輩や留年生からの情報とメモ帳(奥羽大学5年生)
●アイガード用のストラップ。ポケットがかさばらなくて便利です!(新潟大学5年生)
●いいクッションがかかとに入っている靴の中敷き(明海大学6年生)
●教科書をPDF化したものを取り込んだiPad(東北大学6年生)
●物ではないが、予習です。診療の流れがわかってるかどうかで動けるかが大きく変わります(九州歯科大学6年生)
●少し高見えするボールペン。患者さんに字を書いていただくことがときどきあったため、心象を良くするために必要かと思います(福岡歯科大学6年生)
もうすぐ実習が始まる皆さんも、ぜひ先輩の声を参考に準備をしてくださいね。
次回は、先輩たちの臨床実習あるあるをお届けします!
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