歯科医師を志す人のキャリア磨きを応援! 歯科医師を志す人のキャリア磨きを応援!
SHARE!

LOGIN

BRUSH会員ログイン

BRUSHで登録したメールアドレスとパスワード以外にも、
  • 「クオキャリア歯科医師」にすでに会員登録されている方
  • 歯科医師合同就職説明会「MEETUP」に参加されたことのある方
  • クオキャリア「歯科医師国試対策アプリ」に登録されている方(左記アイコンのアプリです)
上記に該当する方は、ご登録の際のメールアドレスとパスワードでログイン可能です。
ログインに失敗しました。ID・パスワードが間違っているか、 会員登録がお済みでない可能性があります。
【第118回歯科医師国試の直前対策】受かる! 1ヶ月前の追い込み術 国試&CBT

【第118回歯科医師国試の直前対策】受かる! 1ヶ月前の追い込み術

“第118回歯科医師国家試験”直前1ヶ月の合格プラン #1

2025年2月1日と2日に実施される、第118回歯科医師国家試験。
当日までにもっと自信をつけたいけれど、いまの勉強法でいいかわからない…
そんな悩みを抱える方のため、BRUSHの語呂合わせ連載でもおなじみの宇梶淳平先生が1ヶ月前の追い込み術を伝授!
確実に点を取るための方法を知り、合格へと近づいていきましょう!

解説

宇梶疋准先生

歯科国試塾ブループリント

宇梶疋准先生

東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram

東京外国語大学外国語学部卒後、一年間のサラリーマン生活を経て東京歯科大学へ編入。学生時代から歯科系SNSワンディー株式会社にて勤務し、1D歯科用語集やニュース記事の編集、海外論文の翻訳、国家試験対策セミナーの運営に携わった。現在は歯科国試塾ブループリントの代表として、多くの受験生をサポートしている。
YouTube「The So-jun Ukaji’s channel」
宇梶疋准先生のInstagram

追い込みの“準備”も大切! いまから当日までにやるべきこと

今回のテーマは「国試1ヶ月前の追い込み方、おすすめの勉強法」です。
118回歯科医師国家試験は2025年2月1日、2日に行われます。つまり、ちょうど新年明けた1月1日が1ヶ月前となります。そうすると、この記事も新年に出したほうがいいかと思われるかもしれませんが、1月1日から1ヶ月前の対策を始めるよりも、前もって「1ヶ月前の対策の準備」を12月中に行ったほうが良いと考えたため、12月中の記事リリースとなりました。

ここからは、12月と1月それぞれに行うことを見ていきましょう。

12月に行う「1ヶ月前の対策の準備」

12月中のToDoリスト

  1. (私立の6年生は)卒業試験に全振りする
  2. 新しい問題をたくさん解く
  3. 過去問は何年分でも何回でも解く
  4. 1月に復習する項目をリストアップする

私立の6年生は)卒業試験に全振りする
私立大学の歯学部の6年生は、まずは卒業試験に尽力することが必要です。

なぜなら、国家試験より前に卒業試験があるため、時系列的に卒業試験の方が先であり、かつ卒業試験に合格しないと国家試験が受けられないため、12月の時点では最優先事項と考えられるのは卒業試験です。

ここで疑問となるのは、業試験の準備対策に国家試験の過去問を使うかどうかです。私個人の考えとしては悪くは無い方法だけど、最善の方法でもないかなと考えています。
なぜなら、卒業試験で出題される内容は、歯学部教育の中でも大学の授業で取り扱ったことをベースにしてあるためです。

つまり、大学の授業内容の復習や過去に出題された卒業試験の問題を解く方が、国家試験の過去問を解くよりも効率的だと考えられます。

大学の中でも試験を作る先生は決まっていることが多いため、その先生の出題傾向も必ずあります。
大学の先生も人間なので、ある程度出題内容には癖がついてしまいます。この内容をよく出題する、この選択肢を誤答の選択肢にする、といった傾向が必ずどの大学でも見られます。

このような出題傾向を把握できれば、卒業試験を突破しやすくなります。

② 新しい問題をたくさん解く
12月の段階ではインプット(新しい知識を覚えること)より、ひたすらアウトプット(問題を実際に解くこと)に注力したほうが良いと考えられます。

新しい問題をたくさん解くことによって、自分が知らなかった知識がどこかを認識し、自分が勘違いしていた知識を是正し、引っかけ問題で間違えることがなくなります。

このうち、引っかけ問題について解説しましょう。まず、この問題を実際に解いてみてください。

例題

45歳の女性。奥歯で噛めないことを主訴に来院した。└56の連結ジルコニアクラウンを作成することとした。支台歯形成後の写真を示す。このあとに作成するテンポラリークラウンの目的はどれか。4つ選べ。

a 対合歯の挺出の防止

b 隣在歯の傾斜の防止

c 最終補綴装置の形態確認

d 歯髄への外来刺激の減少

e 咀嚼機能の暫間的な回復

写真出典:Manicone, Paolo & Rossi Iommetti, Pierfrancesco & Raffaelli, Luca. (2007). An Overview of Zirconia Ceramics: Basic Properties and Clinical Applications. Journal of dentistry. 35. 819-26. 10.1016/j.jdent.2007.07.008.

正答はabceです。ただ、教科書でみられるテンポラリークラウンの目的にはabcde全てが書かれています。ではなぜ、d 歯髄への外来刺激の減少、は外れるのでしょうか。
└5をよく見てみましょう。メタルコアが合着されています。└6は歯頸側の色調と、それより咬合面側の色調が変化しています。これはレジンで支台築造されていることを表しています。つまり、└5も└6も失活歯だということがわかります。

失活歯ということは、歯髄は存在しませんね。よって「d 歯髄への外来刺激の減少」は正答から外れるのです。

このような問題を、私は実際に歯学部5年生の頃に解いて見事に引っかかりました。「あぁ、テンポラリークラウンの意義を覚えたとしても、こういう引っ掛け問題があるから注意しないといけないのだなぁ」と心から思ったのです。

これが実際に国家試験の会場で初見の問題だったらどうでしょうか。
恐らく不正解になりますよね。

歯科医師国家試験では、引っ掛け問題が出題されてもそれを見破れるようにならなければいけないのです。だからいまは新しい問題をたくさん解きましょう。

③ 過去問は何年分でも何回でも解く
このような時期に、受験生から質問されることの代表例は「過去問は何年分解けばいいですか」です。個人的にはこのような質問をしている時点で「甘い!」と思ってしまいます。

例えば、「私が5年分解きましょう」と言ったら、5年分解いて満足するのでしょうか。
万が一それで不合格になってしまったら、「あぁ7年分解かなきゃいけなかったのかなぁ」と思うのでしょうか。
このような思考にもし陥っているとしたら、そもそもの考えが私と違うと思います。

私は、歯科医師国家試験は平均的な「知識の量」がついたら合格すると思っております。

「知識の量」です。「勉強の量」ではありません。

厚生労働省が「君は過去問○年分解いたから合格!」「あなたは○○時間勉強したから合格!」というような基準で合格/不合格を出しているわけではないのは明確ですよね。

「君は○○と△△と□□と……についてきちんとわかっていて、これだけ知っていれば点数的にも上位3分の2に入るから合格です」という判断をしているはずです。

それゆえに勉強の量ではなく、知識の量で判断すべきだと私は思っています。

知識の量をつけるためにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには過去問を何年分でも何回でも、解くしかないですよね。

④ 1月に復習する項目をリストアップする
12月中に必ずやっておくべきことは、いまわからない範囲もしくは問題のリストアップです。

この時期には「〇〇の科目が苦手です」といった大雑把なことではなく、
「歯周外科治療のうち、歯肉弁根尖側移動術の術式がわからない」とか、
「直接リラインと間接リラインの特徴・相違点がわからない」とか、
「Nocardia属が陽性/陰性、球菌/桿菌のどちらに属しているか忘れてしまった」のような、
かなり細かいレベルで物事を見ていってください。

そうすることによって具体的な弱点がわかってきます。
その具体的な弱点を1月のうちに一つひとつ潰しておくことによって必ず点が上がるはずです。

そして、わからない箇所のリストアップをする際は、必ず科目別に整理しましょう。
以前ある学生さんの「まとめノート」を拝見したとき、あるページにメタルインレーの窩洞形成の特徴とセラミックインレーの製作法が書いてあって、次のページにセラミックインレーの特徴とメタルインレーに使われる金属についての記述が書かれてありました。

これを見て、「1ページにメタルインレーについてまとめて、もう1ページにセラミックインレーをまとめたほうが良くない?」と率直に思いました。

しかしながら、この「模試や国家試験で問題の出た順にまとめました」というパターンは結構やりがちなのです。そうすると、あとでどこに書いたか100%わからなくなるので、まとめるなら最初から科目別、分野別に書いておきましょう。

1月に行う「1ヶ月前の対策」

1月中のToDoリスト

  1. 最近間違えた問題をもう一度解く
  2. 短期記憶に入れる範囲を暗記する
  3. (再試験がある私立の6年生は)卒業試験にさらに全振りする

① 最近間違えた問題をもう一度解く
人間というのは不思議なもので、苦手な範囲が段々固定化されてくるんです。症候群が苦手な受験生はいつまでも症候群が苦手で、薬の名前を覚えるのが苦手な学生はいつまでも薬の名前を覚えられないという現象が起きます。

やはりそのような場合は、似たような問題を解いてパターンをつかむか、「今日は症候群について勉強する」、「今日は薬の名前について勉強する」というように一点集中で丸暗記しましょう。

12月に間違えた問題は、国家試験で出題された際にも間違う確率が高いです。なので、ここで苦手を潰しておくと合格が近づいてきます。

② 短期記憶に入れる範囲を暗記する
私の場合は、数値を覚えるのが苦手だったので、全身麻酔薬の血液ガス分配係数、健康日本21の目標値(当時は第2次)、厚生労働省が発表している統計の数値等をこの時期に暗記していました。それら専用のまとめも用意して、歯科医師国家試験直前の5日間くらいで念入りに覚えて、試験当日の朝も白い紙にスラスラ書いていました。

また私は、消毒薬の特徴については、とある教科書の表も丸暗記すると決めていました。芽胞に効く消毒薬や、粘膜に使える消毒薬が載っているあの表です。これも国家試験までに丸暗記したら、実際に2問も出たので助かりました。

暗記した項目は、国家試験の3日後くらいには忘れていました。国家試験が終わった後は何時間も友達と麻雀(金銭の賭けはない)をして「世界って平和だなぁ」とか訳がわからないことを言い合ったり、友達の家を渡り歩いたりして何日も遊びました。

そんなことをしていたら、もう全身麻酔薬の血液ガス分配係数なんて忘れちゃうんですよね(笑)。

でも国家試験で点さえ取れていたら、晴れて歯科医師になることができます。
短期記憶で取れる問題もあるので最後まで諦めないでください。

③ (再試験がある私立の6年生は)卒業試験にさらに全振りする
大学のスケジュールにより1月の段階で卒業がまだ決まっていない学生さんや、本来は卒業が決まっている時期なのに再試験になってしまった方は、やはり卒業試験に集中するべきでしょう。
これも先に出した理由と同じで、卒業試験に合格しないと国家試験が受けられないためです。

同じ歯学部教育のもとで成り立っている以上、基本的には卒業試験を超えられる力があれば国家試験でも十分な点数が取れるはずなので、国家試験対策にあまり時間を割けなかったとしても不安になる必要はないと思います。

ここまで、12月と1月にやるべきことをお話ししました。長々と書いてしまいましたが、最後は気合です。成績は下位層だったけれど、気合でありえないくらい勉強し、周りに助けてもらって受かる人たちをいままで何人も見てきました。

私が最近買ったNIKEのキャップにはこう書いてあります。” Just Do it.”

あなたが勉強しない間にライバルは勉強しています。ただやるのみです! ファイト!

国試当日までの勉強法は整理できましたか? 宇梶先生の言うとおり、あとはとにかく頑張るのみですね!

次回はお待ちかね、昨年も大好評だった「歯科医師国家試験出題予想」をお届け。必ずチェックしてください!


この先は会員限定コンテンツです。

記事全文をお読みいただくには、1分で出来る!会員登録(無料)が必要です。