高額な研修費用を負担してもらった後に退職。費用は返還すべき?

費用を返還するか否かのポイントは、研修を受けるにあたり歯科医院と「研修費用を借り入れる契約を結んだか」どうかです。

まず確認しておきたいのは、「研修に参加する前に、歯科医院とどのような取り決め・契約をしたか」です。

「医院の制度を利用して研修に参加したのだから、研修費用は医院が持ってくれるはず」と思われるかもしれません。しかし、歯科医院も研修後に退職されるとは考えておらず、研修で学んだ成果は当然、自院で発揮してくれると考えて送り出しているはずです。

法律では、雇用主が労働者に対して「一度支給した費用を返還させること」、「費用を返還させる取り決め」をすること自体を禁じています。また、研修が任意ではなく業務命令である場合や、費用の返済方法について特に取り決めをしていないケースでも費用の返還は認められていません。

しかし、「研修費用を借りる契約を任意で交わしている」と返還請求が認められる場合があります。また、歯科医院が研修費用を貸し付ける制度を設けていて、「研修修了後、〇年辞めずに働いたら返還義務を免除します」といった特約を設定していることもあります。

高額な研修を受ける際は事前に歯科医院が負担してくれるのか、それとも任意で借りる形になるのか、きちんと確認しておくことをおすすめします。