歯周病治療のエキスパートとして活躍！日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士｜#2 資格取得への道のり

公開日：2023.10.27

歯周病治療に特化した認定資格の一つが、「日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士」。
東京都内のクリニックで歯周病治療に携わり、同認定資格を取得した服部めぐみさんに、学会での活動内容や資格取得までの道のり、歯周病治療のおもしろさなどについて伺いました。

歯周病治療のエキスパートとして活躍！日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士
第1回　服部めぐみさんインタビュー
第2回　資格取得への道のり（こちらの記事）
第3回　資格取得のQ&A

プロフィール

服部めぐみさん

日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士

勤務先

井原歯科クリニック（東京都目黒区）
歯周病治療を得意とし、マイクロスコープを使った精密な治療で「歯を救う」ことに取り組んでいる。院長は日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医、日本口腔インプラント学会専門医。

キャリアヒストリー

2011年
取手歯科衛生専門学校を卒業。地元の茨城県で就職し、一般歯科と口腔外科の2つの医院に勤務。

2016年
東京で転職活動を開始。その最中に「歯周病は歯科衛生士が治せる病気」と知り、歯周病治療に目覚める。歯周病を専門とする歯科医院で約1年間働き、2017年には日本歯周病学会にも入会。

2017年
井原歯科クリニックのオープンと同時に入職し、歯周病治療を一から学び直す。患者担当制のもと、初診の検査から口腔衛生指導、SRP、SPT、メンテナンスと、歯科衛生士が行えるほぼすべての業務を任されている。

2018年
日本臨床歯周病学会入会。学会の学術大会や研修会等へ積極的に参加し始める。

2023年
日本臨床歯周病学会認定資格取得

日本臨床歯周病学会（JACP）認定歯科衛生士への道のり

日本臨床歯周病学会の認定資格を取るには、大きく分けて4つのステップがあります。まずは学会に所属することが必要。そして日々の診療を通して症例を集めたり、学会が主催する大会や研修会に参加したりしたあと2つの試験を受けて合格すれば、晴れて認定歯科衛生士として認められます。

日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士とは

特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会が設けている歯科衛生士の認定制度。歯周病の予防と治療のための専門的知識と技術を有する臨床歯科衛生士を育成し、地域医療に貢献することを目的としており、2023年1月時点で393名の方が取得しています。

STEP.1 学会に入会する

勤務先の院長や歯科医師が学会員の場合は年会費が安くなりますが、個人での入会もOK。入会すると学術大会や研修会などに参加でき、さまざまな情報を得られます。会員になって2年以上たつと、認定試験に挑戦できます。

STEP.2 申請準備

症例資料収集
初診から自分が担当して、口腔衛生指導やSRPを行い、治癒またはSPTまで至った症例5つについての資料を収集。口腔内写真などをプレゼンテーション用にまとめます。

年次大会または支部教育研修会への参加
年1回の「年次大会」、または、関東・関西などに分かれた「支部」が主催する研修会に参加します。近年はオンラインでも参加できることが多くなっています。

教育研修単位の取得
認定申請には一定の「教育研修単位」が必要です。単位は、上記の年次大会・研修会への参加や、学会での発表、地域歯科医療への貢献などによって取得できます。

STEP.3 一次試験（書類審査）

STEP2で集めた症例や、大会等への参加記録を学会に提出し、審査を受けます。履歴書や、学会指導医または認定医の推薦書、申請料も必要です。審査は1年に2回行われます。

STEP.4 二次試験（症例発表＆口頭試問）

書類審査で提出した5症例のうち、1つの症例について約10分間の症例発表を行います。その後、約5分間の口頭試問（認定審議委員からの質問に対して、その場で答える試験）を受けます。

まとめ

服部さんの場合、学会に入会してから認定資格取得までにかかったのは約5年だそう。知識・技術に自信がない人も、まずは学会に入会して情報収集するのも手。ぜひ皆さんも挑戦してみてください！

日本臨床歯周病学会

特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会（JCAP）

1983年に「臨床歯周病談話会」としてスタートし、歯周治療の研鑽を通じて歯科臨床の向上に努め、もって国民の健康、福祉の増進に寄与することを目的としている学会。
開業医、大学病院、総合病院の歯科医師などさまざまな会員を擁し、研究発表や講演会などの開催、機関紙等の発行、内外の関係学術団体や歯周治療医との連絡および提携などの活動を行っている

https://www.jacp.net/