【例文付き】卒後1年目でも転職できる?「第二新卒」歯科衛生士転職活動のポイント

皆さん就活では、自分に合った歯科医院だと判断した上で応募先を決めるはずです。ただそれでも、「いざ働き始めてみたら、思っていた職場と違った……」ということはあるもの。その職場で続けられなさそうであれば他の医院への転職を検討することになりますが、「1年目で転職するのはイメージが悪いのではないか」「採用してもらえないのではないか」となかなか転職活動に踏み出せない方もいるかもしれません。

そこでここでは、卒後数年以内のいわゆる「第二新卒」の扱われ方や、就職活動のポイントについて解説します。

私って「第二新卒」?

第二新卒にはっきりした定義はありませんが、一般的には大学や専門学校などを卒業して就職したものの、短期間で転職活動をしている人のことを指します。第二新卒とみなされる期間は明確には決まっていませんが、学校卒業後3年以内が目安となっています。

第二新卒として転職活動を始める理由としては、経営業績の悪化など職場が原因のものもあれば、仕事内容が思っていたのと違った・雰囲気になじめないなどミスマッチによるものもあります。
なお、他業種も含めた新卒の就職後3年以内の離職状況は3~4割程度となっており、第二新卒はそれほど珍しいことではありません。

また、歯科衛生士の場合、3月の国試後に就職活動を開始して就職先を決めきれずに4月に入ってしまった、といったケースも見られます。この場合は、4月を過ぎても概ね「新卒」として扱われると考えてよいでしょう。

※厚生労働省調べ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html

「第二新卒」だと転職活動で不利?

第二新卒だと、「忍耐力のない人だと思われて敬遠されるのではないか?」と心配する人も多いでしょう。確かに、「またすぐに辞めてしまうのでは」「協調性がないのではないか」と医院が不安に感じる可能性自体はあります。

でも現在歯科衛生士は、働きたい人より雇いたい歯科医院が圧倒的に多い「売り手市場」。第二新卒だからということだけで、面接をしてもらえなかったり不利に扱われるといったことはほとんどないと考えられます。スキル面についても不問のところが多いので、「スキル的にはほとんと新人と同じ状態」という場合も心配はいりません。

経験が浅いということは、逆に言うと新しいやり方を吸収しやすいということ。採用する医院は、自分のところでしっかり学び、成長してもらうことを期待しています。「教えやすさ」と「成長の可能性」が第二新卒の強みと言えるでしょう。特に経験2・3年目の歯科衛生士なら、社会人の基礎や患者対応、基本スキルなどは身についていると捉え、積極的に採用しようという医院もあるかもしれません。

また、そもそも歯科医院は、仕事の内容、やり方、風土などに医院それぞれの特徴があるため、合う合わないが発生しやすい職場です。さらに、スキルアップのためにいろんな医院を経験するというケースもあるため、転職に対するマイナスイメージは持たれにくい業界と言えるでしょう。

「新卒採用」と「中途採用」どちらの求人に応募するべき?私がもらえる給与額って?

求人サイトの募集ページは通常「新卒採用」「中途採用」の2種類となっており、「第二新卒採用」のページが別に設けられていることはほとんどありません。その場合、どちらのページから応募すべきなのでしょうか。

「新卒」とは、「学校をその年に卒業して初めて社会人として働く人のこと」を指しますので、第二新卒の方は原則的には「中途採用」の方から応募します。ただし、求人情報に記載されている給与額の下限は、歯科衛生士としての職務経験が数年あることが前提となっているケースがあります。第二新卒の給与は記載されている給与よりも低く、新卒初任給の給与と同じかそれに近い額になる場合がありますので、注意が必要です。

なお、見学・面接を申し込む際には、経験年数が少ないこと・どのレベルの仕事ができるのかを簡単に申し添えるとスムーズでしょう。

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面接で退職理由を聞かれたら? 退職理由ごとの回答例文を紹介

第二新卒者の面接で必ず聞かれるのが「退職理由」です。その際大切なのは、医院に「仕方のない状況だった」と納得してもらえる説明をすること。例えば理由が「人間関係」だった場合は、ただ「人間関係」と言うよりも、どんな環境だったかを具体的に述べた方が理解を得られやすいでしょう。ただし、前職の院長や同僚をただ悪く言うのはNG。自分の反省点も交えながら「職場と自分が合っていなかった」という話にまとめると、マイナスの印象を持たれにくいはずです。また、退職理由を述べた後、志望動機やなりたい歯科衛生士像の話につなげると印象がgood!
退職理由ごとの具体的な回答例を下記にご紹介しますので、参考にしてみてください。

仕事内容が理由の場合

回答例(1)「予防の患者さんが少なく、あまり予防診療に携われる機会がありませんでした。やはり歯科衛生士として予防メインに取り組みたいと考え、転職を決意しました」
回答例(2)「患者数が多くて、次々と診ていく感じの医院でした。多くの症例を経験できたのは良かったのですが、患者さん一人ひとりとじっくり向き合って診療したいという気持ちが強くなり、転職を考えました」

教育体制が理由の場合

回答例(1)「前職はマニュアルなどがなく、仕事は自分で見て覚えるという環境でした。私は臨床実習でもあまり実践する機会がなかったので不安が大きく、基礎からきちんと学べる職場に転職しようと思いました」
回答例(2)「実践重視の医院で、入職後すぐに一人で患者さんを受け持つことになりました。しかしスキルに不安のある処置もあってプレッシャーに感じ、自信がついてから実践させてもらえる環境に移りたいと考えるようになりました」

人間関係が理由の場合

回答例(1)「忙しい職場だったので、分からないことがあっても質問しづらい状況でした。私自身なかなか積極的に話しかけることができず、なじめませんでした」
回答例(2)「それぞれが自分の仕事をするというスタンスの医院でした。職種問わずチームで仕事をしている職場で働きたいと考えて、転職活動を始めました」

院長と合わないことが理由の場合

回答例(1)「私の至らぬ点もあったと思いますが、院長の指示や指導に対し、『怒られるかも』と常に不安を感じながら働いている状態だったからです」
回答例(2)「院長とスタッフの間に距離があり、仕事のやり方などを改善したいと思っても相談が難しい職場だったからです」

募集要項と実際の就業条件が違うことが理由の場合

回答例(1)「募集要項では家賃補助があると書かれていたのですが、入職したらその制度はなくなったと言われました。奨学金の返済もあるため家賃補助がないと厳しく、医院に対する不信感も生じて、転職を決意しました」
回答例(2)「新人は決められた始業時間より1時間早く出勤するように指示を受けたのですが、通勤時間も考えると自分の生活スタイルとは合わず、続けるのは難しいと考えました」

衛生管理の不備が理由の場合

回答例(1)「滅菌器など衛生管理の設備は整っていたのですが、運用面が徹底されていない状態でした。先輩や院長に言ってみましたが改善されず、安心して働けませんでした」
回答例(2)「滅菌・清掃は歯科衛生士が勤務時間外に行うことが多く、早く終わらせようといいかげんになってしまいがちな雰囲気がありました。この状態は良くないと考え、また歯科衛生士ならではの業務に専念したい気持ちもあり、転職を考えました」

勤務体制が理由の場合

回答例(1)「前職は仕事内容にはやりがいは感じていましたが、毎日のようにたくさん残業がありました。余裕がないため仕事を楽しめなくなってしまい、転職を決意しました」
回答例(2)「週に1日習い事をしているのですが、シフト調整のときになかなか希望が通らず、休みたい曜日に休めない状況でした。そのため休みたい曜日が固定休みの職場に転職しようと考えました」

第二新卒が履歴書作成・面接でさらにイメージアップするには?

第二新卒として良い印象を与えるためには、履歴書や見学・面接でどんなことに気を付けたらいいのでしょうか。おさえておきたいポイントについてご紹介します。

1.ビジネスマナーに注意する

働いた経験があるということで、社会人としての基本的なマナーは身についているはずだと考える医院もあるかもしれません。「第二新卒なのに……?」と思われないよう、履歴書の記載ルールはしっかりおさえ、見学・面接では言葉遣いや立ち居振る舞い、身だしなみなどに十分気を付けましょう。

2.前職で身につけたこと、頑張ったことをアピール

前職が続けたいとは思えない職場だったとしても、そこで学んだスキルや頑張ったことはあるはず。「患者様に安心してもらえるよう笑顔と丁寧な対応を大切にしていた」といった小さなことでもOK。前職でたくさん経験したことや心がけていたことについては、積極的にアピールしましょう。スキル自体を評価してもらえるだけでなく、自分なりに精いっぱい仕事に臨んできたことを伝えられ、イメージアップにつながります。

3.仕事・成長への熱意を伝える

前職の退職理由もふまえ、この医院で今後どのように働いていきたいか、何を身につけたいかなど仕事・学びへの意欲を伝えましょう。また「何年後にはこの医院でこうなっていたい」と将来的なビジョンについても言及できると、「長く活躍してもらえそう」という印象を与えられるはずです。

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今度こそ自分に合った職場を選ぶために大切なこと

まず前職の退職理由もふまえ、改めて自分が何を重視したいか、どんな医院で働きたいかを明確にした上で職場探しをしましょう。また、仕事内容・教育体制・人間関係はミスマッチが起こりやすいところなので、実際のところを見学・面接で細かくチェックするのが大切です。

なお、前職の退職理由が「教育体制」の人など、中途入職扱いではなく新卒と同じように指導してもらいたいという場合は、あらかじめそのように申し出ておけば、医院との認識の違いを防げます。
第二新卒の人には、働いた経験があるからこそ気になるポイントもあるはず。見学・面接には、事前にチェックリストなどを作成した上で臨みましょう。

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