結婚後、仕事はどうする?《ライフキャリア編》「仕事は続ける? どんな自分でありたい?」|キャリコン歯科衛生士のお悩み相談室#5

皆さん“キャリア”というと計画を立てその道筋に沿って進んでいく…というイメージが強いかもしれません。
しかし実際、そんな教科書通りにうまくいくことばかりではないはずです。
キャリアってなんだか難しそう、そこまで考える必要があるのかな…と思う方もいるでしょう。

本連載は歯科衛生士と国家資格キャリアコンサルタントのダブルライセンスを持つ冨澤幸子さんが、歯科衛生士としての臨床経験のほか、歯科衛生士養成校の教員や一般企業での勤務経験など多彩なキャリアを歩んできた経験を活かし、皆さんのキャリアのお悩みにお答え。
歯科衛生士という道を選んだ皆さんがその資格を活かして楽しく職業人生を送れるよう、考え方・生き方のヒントをお伝えしていきます。

キャリコン歯科衛生士のお悩み相談室
第1回 私が自分のキャリアを前向きに受け入れられるようになるまで
第2回 卒後1年以内に辞めてしまった。これから歯科衛生士としてやっていける?
第3回 仕事には慣れてきたけど同じことの繰り返し…転職した方が良い?
第4回 結婚後、仕事はどうする?《働き方編》「働き続ける/転職する/仕事を辞める…それぞれのメリットややるべきこと」

プロフィール

冨澤幸子

歯科衛生士/国家資格 キャリアコンサルタント

とみざわ さちこ/金融機関での営業職を経て、歯科衛生士にキャリアチェンジ。歯科衛生士養成校を卒業後、歯科クリニックや市役所、歯科衛生士養成校に勤務。現在は企業の人材確保・採用支援に関わる仕事に携わっている。

仕事は続ける? どんな自分でありたい?

今回のお悩みはこちら!

付き合ってる彼氏といよいよ結婚、一度にたくさんのことを考えるのも大変だし、歯科衛生士の仕事をどうしようか悩んでいます。

Part1は、結婚後の「働き方」について取り上げましたが、皆さんどのように思いましたか。
結婚しても仕事を続けるかどうか、働くとしても働き方をどうするかを考えると、収入、仕事上のキャリア、時間…色々な心配が出てきて判断するのが難しいですよね。
結婚というのは人生の中でも大きなイベント。このタイミングで、仕事だけでなく“あなたの生き方”を考えてみませんか。
あなたの生き方とは、趣味・遊びや家庭など生活する上でのすべての活動を含めたキャリア形成のことです。
“生き方”を考えることで、あなたがどのような人生を送りたいか、そして「歯科衛生士としてどう生きたいか」も見えてくるはずですよ。

ところで、なぜ「結婚後、仕事を続けるか」について考えるにあたり、趣味や遊びのことまで考える必要があるのでしょうか。それは、年齢とともに生活スタイルは変わり、その時々で仕事にかけられる割合(時間)が変わってくるからです。
例えば、これから結婚を控えている20代後半の女性を例に考えてみましょう。

(1)これから結婚を控えている自分は…

  • 何歳?→28歳
  • 誰と暮らしている?→実家暮らし
  • 生活の中で、それぞれの役割・活動にかける時間は何パーセントくらい?
仕事 40%
学び 10%
趣味・プライベート 20%
地域活動・ボランティア 0%
子どもとしての時間 10%
恋人としての時間 20%

→生活の中で、仕事にかけられる割合は…(40)%

(2)10年後、結婚した自分は…

  • 何歳?→38歳
  • 誰と暮らしている?→夫と子ども(保育園か小学校低学年/もしかしたら2人いるかも?)
  • 生活の中で、それぞれの役割・活動にかける時間は何パーセントくらい?
仕事 20%
学び 0%
趣味・プライベート 5%
地域活動・ボランティア 10%
子どもとしての時間 5%
妻・親としての時間 60%

→生活の中で、仕事にかけられる割合は…(20)%

(3)20年後、子育てが落ち着いた自分は…

  • 何歳?→48歳
  • 誰と暮らしている?→(子どもは大学生で一人暮らし)
  • 生活の中で、それぞれの役割・活動にかける時間は何パーセントくらい? 自分はどうなっていたい?
仕事 ?%
学び ?%
趣味・プライベート ?%
地域活動・ボランティア ?%
子どもとしての時間 ?%
妻・親としての時間 ?%

→生活の中で、仕事にかけられる割合は…(?)%

このように考えてみたとき、あなたはどんなことを思いますか?

「結婚すると、今まで考えてなかったことも起こりそう」
「結婚したら…と一括りに考えていたけど、5年後10年後はまた状況は変わるんだな」

こんなことに気づいてもらえたらいいなと思います。
生きていくうえで何が起こるかはわかりませんが、こうして少し視野を広げて想像してみることで、ある程度の見通しを立てられるでしょう。

そして「仕事をする」ことを今までと同じようにしようとすれば、きつかったり、無理が出てきたりするかもしれない、ということにも気づいてもらえたかと思います。
全ての項目で自分の100%を発揮しようとすると、できないことばかりが見えてしまいます。生きていくその時々で、自分がそこに注力する力加減は変わって当たり前。結婚したら今までの自分に加えて、妻としての自分、パートナーの家族の中での自分と、新たな自分が生まれます。それぞれの自分の役割をちょっとずつ頑張ることで、充実した毎日を送ることができるはずです。

あなたなら自分のキャパシティの100%をどう割り振る?割り振れる割合が減っても充実させるためには何を変えたらいい?こんなふうに書き出してみよう

「歯科衛生士として」どんなふうに生きていきたい?

それでは、次に歯科衛生士としての自分(仕事)に絞って想像を広げてみましょう。

あなたは将来、どんな歯科衛生士になりたいですか?
→それはいつ実現させたい?…(  )年後、(  )歳の自分
→そのためには、結婚後はどんな働き方をするのが良い?

さて、◎年後に理想の歯科衛生士になるとしたら、そこに向けて、結婚後どんな働き方で、またどんな経験(診療内容・専門性)を積める職場で働くのが良さそうでしょうか?少し深掘りしてみましょう。

歯周病の認定資格を持った、専門性の高い歯科衛生士になりたい
→●歳までに実現させたい
→結婚したら今の職場は辞めようと思ってたけど、もう少し続けると認定が取れるから、それまでは続けた方が良いかも
家族との時間も大切にしながら働く歯科衛生士になりたい
→●年後までに結婚・出産したい
→出産したら一時的に仕事を休む必要があるけど、手元が鈍るのが心配だからパートでも続けよう

このように考えていくと、今仕事を続けるか辞めるかという短期的な視点ではなく、自分が人生でありたい姿を実現する上ではどうすべきか、という長期的な視点で捉えることができます。
もし自分の目標実現のためには転職が必要だ、となった場合も、「それならどのような強みをアピールできるかな」と今から考えておくこともできるはずです。

歯科衛生士になると決めたとき、歯科衛生士として仕事をスタートしたときの自分と、現在の自分を比べてみると、どう変わったでしょうか?
そして5年後10年後の自分はどんな姿でしょうか?ぜひ思い描いてみてください。
その時々で、家族や友人、地域コミュニティとはどんな関係を築いていたいか、といった広い視点から考えてみるのがおすすめです。


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