「推しが好きなら、オタ活を我慢しなくてOK」｜歯科衛生士の不安をお金のプロに相談してみた！#2
歯科衛生士って、手取りはいくらで、お給料をどう使っているんだろう……？ みんなのお金の話って気になるけれど、話しにくいですよね。
現役歯科衛生士さんが、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子さんにお金の悩みを相談する連載です。
今回お悩みを相談するのは歯科衛生士1年目の中山さん（仮名）。
EXILEなどが所属するLDHグループの大ファン。FANTASTICSが大好きで、現場にもよく行くのだとか。オタ活資金を作るためにも、貯蓄や投資に興味があるそうです。
第1回 ストイックな節約にも気をつけて
第2回 推しが好きなら、オタ活を我慢しなくてOK（こちらの記事）
第3回 投資は『焦らない』が一番大事
中山さん（仮名）
23歳。一人暮らし。歯科衛生士になって2年目。都内の歯科医院に正社員として勤める。月収は20万円（手取り）で、趣味にも投資にも積極的にお金を使っている。LDHグループが大好き。
ファイナンシャル・プランナー 小沢美奈子さん
大学卒業後、損害保険会社（現あいおいニッセイ同和損保株式会社）に就職し、事務、社員教育、講師など幅広く経験。その後転職を経て、2015年に独立。日経WOMANなどでもマネー記事を執筆するなど、マネーライターとしても活動中。
https://kandbplanning.org/
目次
固定費以外のお金をオタ活に使いまくっている
FP小沢さん 中山さんは「オタ活」のために長崎から東京に上京したと前回お伺いしました。
中山さん LDHグループ、とくにFANTASTICSが本当に大好きなんです……！
FP小沢さん ただ、ちょっと確認したいこともあります。推しを追いかけるのって、お金がかかりますよね。家計簿に「趣味（オタ活）3万円」とありますが、本当にこれで足りていますか？
中山さん ……実は、もっと使ってしまっています。家計簿の中に「繰り越し」という項目がありますよね。これはその月に余ったお金です。ある程度貯まったら、推しのイベントなどに使ってしまっています。
コンサートの他にもLDHは楽しいイベントがいっぱいあるそう
まず、趣味にどれくらいお金がかかっているか具体的に把握しよう
FP小沢さん 推しにどれくらいお金を使っているかを、もう少し詳しく聞いてもいいですか？
中山さん 主な出費はイベントです。毎回のチケット代が、だいたい1万円くらいです。
FP小沢さん どのくらいの頻度でイベントに行くのでしょうか？
中山さん 本当はもっと行きたいんですけど、できるだけ月に1回までにするようにしています。
FP小沢さん イベントに使うのはチケット代だけではありませんよね。遠くのイベントに行くときは宿泊費や交通費もかかるのではないでしょうか？
中山さん おっしゃる通り、イベントが地方で行われることもあります。そんなときは、夜行バスなどを使ってできるだけ出費を抑えています。また、イベントの終了時間が遅くなっても、できるだけ宿泊は避けて、すぐ家に帰ります。
FP小沢さん イベントの帰りに、オタク仲間と交流をすることもあると思います。 飲食費はどうですか？
中山さん イベントが終わった後にオタクの友達とカフェでお話したり、ごはんを食べたりしています。私はお酒は飲まないので、夜に居酒屋に行ったりはしませんね。家計簿の「交際費10,000円」の範囲に収まっています。
FP小沢さん なるほど。他にお金がかかるようなことはありますか？ ファンクラブの会員費とか。
中山さん とくにありません。私の好きなLDHのグループは、ライブ動画の配信に力を入れているんですが、私は会員サイトにも入っていません。お金がかかるというのもありますが、あくまでも「現場主義」なので！ 生で推しを見たいんです。
FP小沢さん ここまでのお話しからは、そこまでオタ活にお金がかかっていないような気もしますね……？
中山さん 出来るだけ月1回にしていますが、イベントが多いときはどうしても何回も行くことになってしまいます……。
FP小沢さん なるほど。イベントが多くなると、どうしても出費は増えてしまいますね。
中山さん ただ、これでも自分なりに制限はかけているんです。「一つのツアーで参加するのは一つの会場だけ」にしています……！
本当に好きなら、割り切って推しにお金を使うのもアリ
中山さん 貯金を増やすにはオタ活をもっと減らさなくてはいけないですよね。例えば、もう地方へのイベント参加は止めた方がいいのではないかと思っています。さっき「現場主義」という話をしましたが、ライブは配信で見た方がお金は節約できます。それで我慢すればいいのではと……。
FP小沢さん いや、私は、中山さんはイベントに行くのをやめない方がいいと思います！
中山さん ファイナンシャルプランナーの方にそんなことを言われるとは思いませんでした……！どうしてでしょうか？
FP小沢さん 中山さんは、ちゃんと自分の中に軸を作った上で好きなものを楽しんでいますよね。「ライブ配信にお金は使わない」「一つのツアーで参加するのは一つの会場だけ」ということから、よくわかります。
そんな中山さんのポリシーである「現場主義」は、続けた方がいいと思うんです。自分の大好きなことを我慢してしまうと、別のことにストレスのはけ口を見い出すようになるかもしれません。結果的に、食費や被服費など、他の項目で出費が増えてしまう可能性もあります。
そうなるくらいだったら、推しにお金を使うことは自分にとっての「必要経費」だと、ある程度は割り切っていいと思います。
中山さん 私はこのままイベントに行ってもいいんでしょうか！？
FP小沢さん 「貯金をしたい」というのも中山さんの意志ですから、そこも叶えたいですよね。だから、繰り越し分のお金をイベント代と貯金に分けるといいのではないでしょうか。イベントに行くのを全てやめるのではなく、ほんのちょっとだけ現場を減らすイメージです。
中山さん オタ活と貯金、どっちもできるなんて、うれしいです～！
FP小沢さんのまとめ「節約は我慢だけだと続かない」
FP小沢さん 趣味にお金を使うのは、一見無駄遣いのように思えるかもしれません。でも、趣味は自分を構成する大事なもの。一気にやめてしまうとストレスが溜まって、節約も貯金も続かなくなってしまうかもしれません。
まずは自分がどれだけ趣味にお金を使っているのかを正確に把握して、納得して削れる分だけを削るのがよいでしょう。無理をしないのが重要です。
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