「子育て中の貯金、どうすればいい?」|歯科衛生士の不安をお金のプロに相談してみた!#2

歯科衛生士って、手取りはいくらで、お給料をどう使っているんだろう……? みんなのお金の話って気になるけれど、話しにくいですよね。

現役歯科衛生士さんが、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子さんにお金の悩みを相談する連載です。

今回お悩みを相談するのは歯科衛生士9年目の大野さん(仮名)。
子育てによって、正社員を辞めてパートで働かざるを得ない状況になり、収入が大幅に減ってしまったそうです。


第1回 子育てで収入が下がったら、どうすればいい?
第2回 子育て中の貯金、どうすればいい?(こちらの記事)
第3回 夫婦でもお金の話はしにくい!?


お悩みを相談するのは……
大野さん(仮名)
30代前半。配偶者と子ども2人の4人家族。歯科衛生士になって9年目。関東地方の歯科医院に正社員として勤めていたが、時短勤務の期限を迎えたことを機に、違う医院にパートとして転職。現在の月収は16万円(手取り)。夫の月収は29万円(手取り、ボーナスなし)。これからの生活に不安を感じている。

お悩みを受け止めるのは……
ファイナンシャル・プランナー 小沢美奈子さん
大学卒業後、損害保険会社(現あいおいニッセイ同和損保株式会社)に就職し、事務、社員教育、講師など幅広く経験。その後転職を経て、2015年に独立。日経WOMANなどでもマネー記事を執筆するなど、マネーライターとしても活動中。
https://kandbplanning.org/

お金を貯めるのに確実なのは「給与天引き」

大野さん 正社員として働いていた頃は、毎月2万~5万くらいの貯金ができていました。でも、私が転職してパートになってからは家計は毎月ギリギリです。貯金をしていきたいとは思っているんですが、なかなか難しくて……。なにか良い方法ありますか?

FP小沢さん お勧めは給与天引きでできる貯金です。

まずはパートナーのお勤め先で「財形貯蓄制度」のようなものはありませんか? もし勤務先がこの制度を取り入れている場合、月々決まった額が給与から天引きされてお金を貯めることができる、というものです。

もし財形貯蓄制度がなかったら、銀行の「積立定期預金」を使うといいでしょう。これは毎月自分で設定した日に、好きな額を口座から積み立ててくれるというものです。給料日の翌日などに設定すれば、給与天引きに近い感覚で運用できます。

大野さん 自然に貯まっていきそうですね。ただ現状は生活費もかさむので、まとまった額の天引きができないかもしれません……。

FP小沢さん ちなみに、現在大野さんの貯金はどのくらいあるのでしょうか?

大野さん 夫婦合わせて600万円くらいです。

FP小沢さん 夫婦で600万円あれば、今は焦って無理な貯金をする必要はないと思います。まずは少額から始めてみましょう。5,000円くらいからでも良いと思います。

大野さん それくらいなら、無理なくできるかもしれません……。やってみます!

NISAで投資信託の積み立ては100円からでもできる

大野さん 貯金の話に関連してお伺いしたいことがあります。NISAで投資信託の積み立てはやった方が良いのでしょうか?

FP小沢さん 今の段階では、そこまでやるのはなかなか大変そうという印象を受けました。ただ、長い目で見るとやった方が良いとは思います。銀行に預けていても、利息は非常に低いですからね。大野さんは、投資の知識はありますか?

大野さん ないです。最近よくニュースになっているので、なんとなく気になっているくらいです。正直、あまりよく分かっていません。

FP小沢さん それなら、いずれNISAで投資信託の積み立ても見据えて、今は勉強する期間とした方がいいかもしれませんね。まずは『日経WOMAN』などのマネー系の雑誌を読んでみるのが分かりやすいです。

大野さん なるほど……。まずは勉強からですね。

FP小沢さん あるいは、超少額から始めてしまうという手もあります。証券会社にもよりますが、毎月100円からNISAで投資信託の積み立てができる会社もあるんですよ。いずれにせよ、本格的に始める前にある程度準備をしておけるといいですね。

育児中の生命保険は手厚く

大野さん 保険についても相談したいです。県民共済で夫婦共に月に2,000円くらいの掛け捨ての生命共済に入っています。これで大丈夫でしょうか?

FP小沢さん 県民共済は都道府県ごとに異なりますが、2,000円くらいのプランだと、事故で亡くなった場合に1,000万円くらい、病気で亡くなった場合に400万円くらいの共済金になるかとは思います。
ただ、400万くらいだと、実際には葬儀代と引越代くらいしかまかなえないケースもあります。そこでお伺いしたいのですが、パートナーの方の会社の年金はどうなっているでしょうか?

大野さん 夫が勤めているのは小さな会社で、従業員は厚生年金でなく国民年金に入ることになっています。

FP小沢さん 国民年金の場合でも、厚生年金と同様に「遺族基礎年金」があります。ただ、亡くなった場合に家族が受け取れる金額としては厚生年金より少ないので、生活に必要な額には足りないかもしれません。とくに、お子さんが学校を卒業して独立するまでの間は、現在の生活費の7割くらいがもらえる補償があったほうがいいですね。

もし民間の保険で死亡保障を追加するなら、掛け捨て型の安い「収入保障保険」がオススメです。

大野さん 3歳の子どもが大学を卒業するまでの間と考えると……あと19年ですね。がんばります!

FP小沢さんのまとめ「心配事をきちんと見つめよう」

FP小沢さん 貯金、特に生活防衛資金(月の生活費の約6か月分)となりうる現金貯金がある程度ある場合は、焦り過ぎなくても大丈夫です。

貯金金額よりも、まずどんなに少額でも「定期的に貯めていける習慣づけ」のほうが大事。子どもがいる場合は、貯金だけでなく「親に万が一のことがあった場合の保障」を備えておきましょう!

 

イラスト/斎藤充博
編集/ピース株式会社


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