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パイナップルを皮ごと食べる“むかない安藤さん”に再会し、「歯力」の無限の可能性を認識しました。 連載コラム

パイナップルを皮ごと食べる“むかない安藤さん”に再会し、「歯力」の無限の可能性を認識しました。

辛酸なめ子の調べたら奥深~い“歯科ラビリンス” #2

子供の頃にした恐怖体験から歯医者さんがトラウマになり、実は歯科医院があまり得意ではないという辛酸なめ子さん。そんな辛酸さんも、口腔の健康と寿命が関係していることを知り、月に1回は予防を兼ねて歯科医院に通っているという。この連載は、そんな辛酸さんが最近の歯科事情や、歯科にまつわるエトセトラを取材し、歯科の恐怖と向き合い、克服していく壮大な物語である。歯科医師になる皆さんも、ぜひこの連載を読み、歯医者さんが怖い患者さんの気持ちと寄り添いながら、奥深い歯科ラビリンスを体感してください。

むかない活動には、「粗末にしたくない」という思いもあるという。
食べ物をまるごと愛す”むかない安藤”さん

むかない安藤さんの存在を知ったのは5年ほど前。あるテレビ番組で、ものをむかないで食べる活動を何年も続けている安藤昌教さんにお話を伺い、そのワイルドさと歯の強さが心に歯型のように刻まれました。今回、歯をテーマにしたこのコーナーにご登場いただき、その歯力を目の当たりにしたいです。

むかないで食べるのに最適な場所はどこなのでしょう。レストランやカフェだと視線を集めそうで、カラオケボックスというのも違う気がします。やはり太陽の下で公園で堂々と行うのが似合う気がします。待ち合わせの場所に登場した安藤さんは、さわやかな笑顔で「あれから何も変わらず続けていますよ」とおっしゃいました。この活動はもう10年も続けられているそうで、やっていない食材はないのでは?と思いながらも編集部で用意したものをいくつか試していただきました。

大根やパイナップル、メロン、ピスタチオ、カニカマ、ピーナッツなどが並んでいるのを前に、思案している様子の安藤さん。「実は今治療中なんです。むかない活動で一回犬歯が欠けてしまい……。その治療中に他にもいろんな箇所で不具合が見つかって、まだ終わらないんです」

そんなタイミングで申し訳ないですが……

「どれでもやりますよ!」と快諾してくださいました。醸し出す雰囲気が戦隊もののヒーローのようです。まずは大根から。こちらは問題なくかじることができました。

「食べ物を粗末にするとバチが当たって歯が抜けそうなので……」と残りを袋に入れられる安藤さん。そのお人柄が、長年炎上や批判を受けず続けられてきた理由の一つでしょうか。

続いてメロンですが、思いのほか固かったようで、途中腕の力を使って頭部を抑えながらもなんとか噛もうとしましたが、「顎が外れそう」と潔く断念。持続可能のためにはあきらめも肝心です。「メロンは悪い意味で弾力があって歯が入っていかないです」

果実の中のプリンス的な存在なので、攻略のハードルも高いようです。

続いて、ピスタチオを殻のままいっていただきました。

「ボリボリいう音が脳にガンガン響いて高揚感があります」と、意外にもむかない活動向きでした。「女性はピスタチオを手で向くとネイルがはげたりするので、むかない方が爪にも良いですよ」と、女性を気遣うコメントで好感度が高まります。でも、素人の私がピスタチオをむかないでそのまま噛み砕こうとしたらやはり歯が立ちませんでした。勢いや度胸が必要だと体感。

そしてパイナップルは一見手強そうに見えて、「表面がウロコ状になっていて歯が入りやすい。メロンよりもむかない食べ方にむいてます」と、おいしそうに歯を立てて咀嚼されていました。

最後にウィダーインゼリーを差し出すと、「この固い背骨(吸い込み口)の部分に当たると歯がやられる。噛んでいたら中身が出てきたけれど、摂取カロリーよりも体力を使っている感があります」と、安藤さん。意外にも初挑戦で、食べごたえがあったそうです。

動画も撮影させていただき、場所を変えて改めてお話を伺うことに。

「こういう人生になったか……」と、むかない活動を取材されることに複雑な胸中をのぞかせる安藤さん。「広告営業として普通に会社員としてやってきたんですけどね。さっきまで会社で来年度の予算会議で絞られてました

顎の力が強いと仕事のガッツがわいてきて、出世しそうです。例えばケネディファミリーなど皆、顎が立派な印象が……。安藤さんも子ども時代から顎や歯が丈夫だったのでしょうか?

「一般的に丈夫なんだと思うんですけど、子供の頃から虫歯はありましたね。でも昔から、甘いお菓子よりも木の実とかを食べていたんですよ。歯に悪いものは親に食べたり飲ませてもらえなかったので、そこにルーツがあるのかもしれないです」

きっと子どもの頃は健康優良児だったのでは?と拝察します。

「好き嫌いも一切ない。なんでも大好きです。食べ物に関してはむくむかない関係なくリスペクトしてます。粗末にしたくない、残したくないと思っています」

そのまじめさがお子さんから大人まで幅広い世代に支持される理由なのかもしれません。今まで苦情などもないというのでさすがです。知らない子どもが「レノア(柔軟剤)飲め」とかムチャぶりしてきたことはあったそうですが……。

今まで苦戦したものを伺うと、

「海の生き物は身を守ってるし水圧もあるから、殻とか皮とか手強いですね。勝てる気がしないウニは一回やろうとして怖くてやめましたと、安藤さん。無人島に漂着した時などに、むかないスキルが生かされそうですが……。

ちなみに「むかない」動画などをアップしたり、この活動でモテたことは?

「一切ないですね。ファン層は男性なんです。たまに声をかけられることがありますが、大体おっさんです。それはそれで嬉しいですけど」

むかない活動に関してはライバルはおらず、向かうところ敵なしなので、そんな孤高の姿に憧れるのかもしれません。

食品メーカーなどから広告の仕事が来たことは?

「企業案件はないですね。リスキーでしょう……。一度有名なお菓子メーカーに提案したことがありました。最後までパッケージが映るから広告いけますよ、って。一切返答なかったですね」

包装紙は食べられませんが、食品の場合皮をむかないで食べることはゴミの軽減につながりエコロジーです、また皮部分に栄養があることも(ちなみにメロンやスイカの皮に含まれるシトルリンにはED改善の働きがあるとか……)。安藤さんは、人類の祖先が営んでいた大自然と一体化したライフスタイルを再現しているのかもしれません。

「無理をしないのがモットー」というのも、持続可能なSDGs精神を表しています。このまま歯を保たれて、むかない道を極めて国連でスピーチする安藤さんの勇姿をいつか拝見したいです。

「趣味よりはライフワークに近いですね。まさかこんな人生になるとは……」と、安藤さんはつぶやくと、また颯爽と会社に戻っていきました。

※続きの動画をまた公開します。お楽しみに!

むかない安藤

本名は、安藤昌教。1975年、愛知県生まれ。国立研究所での高速炉研究、気志團のバックダンサー、コーヒーショップ経営など異色の経歴を持ち、現在の本職は、人気サイト「デイリーポータルZ」の記者(広告企画も行う)。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動は2012年にスタート。youtubeを中心に配信し、特に日本中の少年を虜にしている。

辛酸なめ子

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

文・イラスト/辛酸なめ子

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