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日本のホワイトニングの先駆者・石井さとこ先生にお話を伺い、口元美容に目覚めました…。 連載コラム

日本のホワイトニングの先駆者・石井さとこ先生にお話を伺い、口元美容に目覚めました…。

辛酸なめ子の調べたら奥深~い“歯科ラビリンス” #3

子供の頃にした恐怖体験から歯医者さんがトラウマになり、実は歯科医院があまり得意ではないという辛酸なめ子さん。そんな辛酸さんも、口腔の健康と寿命が関係していることを知り、月に1回は予防を兼ねて歯科医院に通っているという。この連載は、そんな辛酸さんが最近の歯科事情や、歯科にまつわるエトセトラを取材し、歯科の恐怖と向き合い、克服していく壮大な物語である。歯科医師になる皆さんも、ぜひこの連載を読み、歯医者さんが怖い患者さんの気持ちと寄り添いながら、奥深い歯科ラビリンスを体感してください。

「ぴよぴよぷー」で
私の人生も変わるかもしれません。

誰もが名前を知っている女優やアイドルの、誰も知らない口腔内を長年見続けている石井さとこ先生。歯科医師で口もと美容スペシャリスト、そして歯の「ホワイトニング」という概念を日本ではじめて広めたお方でいらっしゃいます。「マスク老け撃退顔トレ」という近著もあり、ポジティブな笑顔で肌にハリがあって、マスク老けなどとは無縁なお方。ぜひその秘けつも伺いたいです。

歯科医師は天職だと拝察しますが、さとこ先生に言わせると、他に選択肢がなかったからだそうで……。

「両親、祖父母、みんな医者か歯医者の家系だったんです。お前は何もないからって、そっちの方向にレールを敷かれて、歯医者の道に……」

それは普通に恵まれているような気がしますが、当時ご実家は下町で、近所には置屋があり、美しい芸者さんを見る機会も多かったので、別の生き方について思いを馳せることもあったとか。もしかしたら子供心に芽生えた女性の美しさへの関心が、今の口元美容にもつながっているのかもしれません。

「私鉄沿線は美人が多い、というのは私の持論です。クリニックがある恵比寿も、美人が集まりやすい場所。それぞれの路線によって美人のタイプが違うのでおもしろいですよ」

たしかにお茶の水ではまじめそうな原石風美人、丸の内はメイクやファッションにスキがない精巧な美人を見かける気がします。さとこ先生によると、やはり美しさの決め手は口元だそうで……

「コロナ前はよく駅でイチャイチャしているカップルを見かけました。女の子は彼の眼を見つめてるけど、男の人は口元を見てたりして、見ているところが違っているの。マスクで一時見えなくなってしまいましたが、口元は重要ですね」

歯科大学に通っていた時も、歯意識が高い人の集まりだからか、歯並びがきれいな女性がモテていたとか。

「口腔内専門でそこばっかり見ているから、フェチ的になってくるんですね。モテない女は一斉に矯正してました」

逆に、歯並びがガタガタな女子のことは「オレがなんとかする!」という使命感が芽生えそうですが、そんな展開はないのでしょうか……。

「ある程度歯並びがきれいじゃないと、その先はない、みたいな極端な価値感でした。私もあまり歯並びが良くなかったんですが、実習の時、悪い例として出されたり……。歯科大では虫歯=悪という認識にもなっていました」

虫歯だらけの私など、歯科大の世界では悪女ということに……? 

そんな試練をくぐり抜けたさとこ先生は、歯科医師として早くからホワイトニングに着目。その実績が注目され、2005年、ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターだったイネス・リグロンからオファーされます。ミス・ユニバース・ジャパンが絶頂期だった、2012年までの間、ファイナリストたちの歯をプロデュース。世界で好成績を残したのはさとこ先生の手腕かもしれません。

「欧米人は、『スマイルライン』って言って口の可動域が広いんです。笑うと奥歯まで見えるくらいに。自分に自信がないとあんなに開けられない。日本人はずっとお歯黒文化だったし、口元を隠して笑うのが上品とされてきました。口を開けることにマイナスイメージがあり、つい消極的になってしまう。口元へのネガティブな意識は、後ろ姿にも出るんです」

笑顔に自信がないと後ろ姿にも出てしまうとは……。たしかに輝いている美人は後ろ姿でもわかります。さとこ先生は、日本人に歯への自信を持ってもらうため、ホワイトニングを普及させました。

「セラミックのホワイトニングや、かぶせる治療、マウスピースにジェルを入れるなど、その人によって治療も十人十色です。男性は、とにかく真っ白にしたいとオーダーする傾向があり、女性は最初は控えめ路線でそんなに白くしたくない、と言っても、治療が始まるとだんだん貪欲に白さを求めるように

モデルや女優など、さとこ先生のところでホワイトニングを受けると、歯磨き粉などのCMオファーが来る率が高いそうです。ホワイトニング代の元も一瞬で取れます。

「ホワイトニングは美容効果だけでなく、歯を強くして虫歯を予防する効果もあるんですよ。健康と美容はひとつですよね」

新型コロナウィルスやインフルエンザなどは、口の中の菌と一緒になって体内に侵入してくるそうで、まるで、荒廃した建物を犯罪者が狙う「割れ窓理論」のよう。口腔内を清潔に保つことはマストです。他に、口回りの健康法として意識した方が良いことを伺うと……

「口呼吸している人が多いので、鼻呼吸を心がけることですね。口呼吸で舌が下がる『落ちベロ』になると、口腔内が乾燥し唾液が枯渇してしまう。唾液は永遠に湧き出る泉ではない、年齢とともに枯れていくんです。鼻呼吸で、舌を上あごにつける、というのが正しいポジションで、そうすると口呼吸防止になり、唾液も分泌しやすいです

『落ちベロ』になると口臭も発生しやすい、というのが恐ろしいです。舌だけでも落ちぶれないようにしたいです。また、舌が上あごの「口蓋」についていれば、軽くこすって舌の汚れも落ちるという、知られざる効果が。人間の体には舌ブラシ機能も備わっていました。

「歯磨きも実は難しいです。歯ブラシを歯に当てる時と歯茎に当てる時、歯磨きの仕方を変えた方が良いですね。歯の境目に45度にそわせてこするのがポイント。歯茎はあまり力を入れてゴシゴシやると下がっていってしまうので優しく磨きましょ

また、フロスや歯間ブラシで歯を掃除することも大切だそうです。

「フロスは長めに取って歯を包みこむようにして通します。歯ブラシ一本では56%の汚れしか取れないですが、フロスと歯間ブラシを組み合わせれば90%近くまで取れます」

先生のルーティーンは、歯磨きとフロスに歯間ブラシ、さらにご自身で考案された「レロレロエクササイズ」や「ぴよぴよぷー体操」などで、口元を鍛え、アンチエイジングを実践されているそうです。

「レロレロエクササイズ」は、日本人が不得意な「R」の発音を意識し、舌を出しながら「レー」と発声。次に「ロー」と言いながら舌先を上あごにつけます。リフトアップできるそうです。

「ぴよぴよぷー体操」は「女優たちはマスクの下で『ぴよぴよぷー体操』をやっています」というほど人気で、もはや「女優体操」といっても良いかもしれません。

「頬を吸引して絞り込み、唇を上下に開け閉めするのが『ぴよぴよ』。次に頬を『ぷー』と膨らませます。唾液が分泌し,血流アップし、お肌もきれいになりますよ」  やってみたところ、口の筋肉が固くなっていたためか、どうしても「ぴよぴよ」の部分ができません。なぜか鼓膜がゴーッという音を立てはじめ、動かさないところが急に動いて顔が驚いているようでした。

「口輪筋が固くなっているのかもしれません。この筋肉が衰えるとたるみやすく、老けて見えやすいです。目の方にも繋がってるので、ここを鍛えると目もキラキラしてきますよ」

「レロレロ」「ぴよぴよぷー」などの赤ちゃんをあやすような語感の言霊で、さらに若返りそうです。

「口輪筋を鍛えると、口元に自信を持てて、笑顔も自然に作れますよ。意識しないと笑顔は作れません。下がるのは簡単。顔は、下げてしまう筋肉の方が多いんです」

漫然と生きていましたが、とりあえず「ぴよぴよぷー体操の習得」という、直近の人生の目標ができました。せめて口角と舌は下げないように意識していれば、人生も上向きになると信じています。

石井さとこ

石井さとこ

歯科医師・口もと美容スペシャリスト。東京都生まれ。大学卒業後都内の歯科医院に勤務し、1995年、夫と共に石井歯科クリニックを開院。 2002年、「ホワイトホワイト」を開院し、その明るいキャラクターから多くの著名人を顧客に持ち、メディアでも活躍。
石井さとこ先生HP
マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ

歯科医師・口もと美容スペシャリスト。東京都生まれ。大学卒業後都内の歯科医院に勤務し、1995年、夫と共に石井歯科クリニックを開院。 2002年、「ホワイトホワイト」を開院し、その明るいキャラクターから多くの著名人を顧客に持ち、メディアでも活躍。
石井さとこ先生HP
マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ

辛酸なめ子

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学校、高等学校在学中から、執筆・創作活動をスタート。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。セレブ、皇室、精神世界など関心の幅は広く、それぞれ独特の切り口で取材し執筆。著書に『女子校礼賛』『無心セラピー』『電車のおじさん』『新・人間関係のルール』『辛酸なめ子の独断!流行大全』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』など多数。

文・イラスト/辛酸なめ子

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