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【講座3】必修範囲の頻出! 歯の萌出・発育時期 国試&CBT

【講座3】必修範囲の頻出! 歯の萌出・発育時期

“歯科医師国家試験”ラストスパート直前講座 #3

歯科医師国家試験まであと2ヶ月を切りました。国立大学、私立大学、現役生、既卒生…、どんな立場の受験生も多少なりとは緊張していることでしょう。そこで、在学中から国試勉強会を主催し、予備校の受験対策研究にも協力した渡部先生に、受験直前期の心構えや勉強内容を教えてもらいました。

国家試験直前まで毎週更新していきますので、この連載を読み、受験勉強のラストスパートをかけてください!

著者
渡部準也(わたなべじゅんや)

2021年、東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業し歯科医師免許取得。卒業時には長尾学術奨励賞(首席卒業)を受賞。同大学病院で臨床研修を行ったのち、2022年より同大学大学院へ進学し免疫をテーマに研究を行っている。学部在学中から同級生に対し、CBT/国家試験対策を行うなど、歯学教育に強く関心をもち、時期を同じくして他大学で試験対策研究を行っていた歯科国試塾ブループリント講師陣と意気投合し協力する。

歯の萌出・発育時期は様々な問題において基礎知識!!

今回は、「歯の発育時期」について解説を行います。必修範囲として頻出なだけでなく、国家試験全体を通して、放射線画像からの読影や、テトラサイクリン、フッ化物などの薬剤が歯に与える影響など、歯の発育時期を理解していることを前提とした問題が出題されます。必要な内容をしっかりと理解していることで自信をもって解答できます。国家試験頻出範囲については、過去に出題があった問題と必要十分なその周辺を確実におさえることが必要となります。まとめを見ながらアウトプットできるか確認してみましょう。

私自身が近年の国家試験を受験した歯科医師として、また在学中から勉強会を主催してきた経験の中で作成したまとめ資料を今回の連載のため、アップデートしています。受験直前期の今だからこそ、ぜひ、皆さんに確認していただきたい内容です。

歯の発育時期

歯の発育段階をまとめるにあたって基本となる図はSchour&Massler,1940および乳歯・永久歯の萌出時期(『日本小児歯科学会,1988』)の図です。教科書、参考書でよく見るこれらの図は、どこを覚えなければいけないのか分かりにくく苦手意識を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで、国家試験に対応し必要十分な部分を抽出したまとめを作成しました。空欄の表も用意したので、自分で表の空欄を埋められるか初めにチャレンジしてみてください。

画像をタップすると、PDF形式で表示され印刷もできます。
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自信をもって表を全て埋められた方は多くないのではないでしょうか。では、次項でまとめの表の覚え方と解説を行っていきます。

「歯の発育時期と経過まとめ表」の使い方

先程の表にまとめてある時期はどれも暗記すべき重要な値ですが、それでもなかなか一度には覚えにくいと思います。おすすめの方法ですが、

1.歯の萌出時期(順番→年月)

2.代表的な歯の発育経過

の順でみていくと覚えやすいと考えています。

まずは、歯の萌出時期を確実に覚えます。後で述べますが、萌出時期を記憶しておくことで、発育経過の他の時期も予想することができ全体の暗記も楽になります。

歯の萌出順序・時期は、105回A-24、105回A-25(日本人の下顎乳歯萌出開始時期)、104回A-30(日本人の上顎永久歯の萌出順序)がそうでしたが『日本小児歯科学会,1988』から出題されるので、まとめの表にもあるように日本人の数値を覚えます。

歯の萌出順番

はじめに確認となりますが、歯の萌出順番は乳歯、永久歯上顎、永久歯下顎それぞれ異なります。同一歯種で見たとき、乳歯も永久歯も下顎から萌出が始まります。

画像をタップすると、PDF形式で表示され印刷もできます。
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乳歯では上顎・下顎ともA→B→D→C→Eの順番で萌出します。最も萌出が早いのは下顎乳中切歯(下A)で、乳歯列で最後に萌出するのは上顎第二乳臼歯(上E)です。生後半年過ぎから乳歯の萌出が始まり2歳半頃に萌出が完了するイメージをもっておくと良いでしょう。Hellmanの歯齢と併せて考えると、下Aの萌出開始からⅠC(乳歯咬合完成前期)となり、上Eの萌出完了をもってⅡA(乳歯咬合完成期)となるといえます。

永久歯では、上顎と下顎で萌出順番が異なるので注意が必要です。
永久歯で最初に萌出する下顎中切歯(下1)と次に萌出する下顎第一大臼歯(下6)はほぼ同時に6歳ごろ萌出します。

上顎で最も早く萌出するのは、上顎第一大臼歯(上6)で、次に上顎中切歯(上1)が萌出します。また、下顎の萌出順番と違う点として、上顎犬歯(上3)の萌出が遅く、上顎第一小臼歯(上4)の萌出後になります。八重歯(犬歯低位唇側転位)になるのは一般的に上顎犬歯であることはイメージしやすいと思います。スペースが不足している場合に、遅くに萌出する歯(上顎犬歯)が一番影響を受け、正常な位置に移動できず転位すると考えると覚えやすいでしょう。

歯の萌出時期

歯の萌出順番を覚えたら、具体的な萌出時期を覚えます。

 乳歯  A:8月、B:12月、D:16月、C:18月、E:30月

 永久歯  1,6:6歳 2:7歳 3~5:9~12歳 7:12歳 8:約18歳

非常に重要な範囲ですので、何度でも反復して覚えていただきたいです。

まず、乳歯ですが、ABDは4の倍数(×2、×3、×4)、CEは6の倍数(×3、×5)となっているので比較的覚えやすいのではないでしょうか。Hellmanの歯齢とあわせて考えると、下Aの萌出開始からⅠC(乳歯咬合完成前期)となり、上Eの萌出完了をもってⅡA(乳歯咬合完成期)となるといえます。

永久歯では、第一大臼歯は6歳臼歯、第二大臼歯は12歳臼歯の別名のとおり、それぞれ6歳、12歳で萌出します。第三大臼歯と併せて、大臼歯6,7,8は、6の倍数(×1、×2、×3)と覚えるとよいでしょう。側方歯群である3、4、5の萌出時期は個人差が大きく細かく覚える必要はありません。3、4、5は9~12歳で萌出すると覚えましょう。Hellmanの歯齢と併せて考えると第一大臼歯および前歯(中切歯)が萌出を開始する6歳ごろがⅡC、側方歯群である犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯が萌出する9~12歳がⅢB(側方歯群交換期)、第二大臼歯の萌出が開始する12歳ごろがⅢC、そして第三大臼歯の萌出が開始するのがⅣCとなります。

歯の発育経過

続いて、歯の発育経過を覚えます。全てを一度に覚えるのは大変なので、始めに代表的な歯を覚えます。具体的には、乳歯、第一大臼歯、第一小臼歯、第二大臼歯です。

乳歯の発育過程では、歯種ごとに細かく覚えるよりも乳切歯(AB)と乳犬歯・臼歯(CDE)に分けて、胎生週、胎生月、(出生後)月、年のようにおおまかなイメージをもっておくことが大切です。

 乳歯 

歯胚形成:胎生7~10週 石灰化開始:胎生4~6月 歯冠完成:2~11月

歯根完成:乳切歯(AB)1.5年  乳犬歯・乳臼歯(CDE)3年

歯根吸収開始:乳切歯(AB) 4~5年  乳犬歯・乳臼歯(CDE)7~8年

永久歯では、萌出時期の3~4年前に歯冠が完成し、萌出の3~4年後に歯根が完成するので、萌出時期を完璧に覚えておくことで歯冠完成時期と歯根完成時期の2つを自動的に覚えることができます。最後に残った、歯胚形成時期と石灰化開始時期を覚えましょう。特に、出生時に生じる「第一大臼歯の石灰化開始」、「第一小臼歯の歯胚形成」は重要なイベントなのでしっかり記憶しておきましょう。出生時に生じる新産線は、出生時までに石灰化が開始している乳歯と第一大臼歯で生じます。

第二大臼歯の発育過程と時期が国家試験(101回A-25)で出題されているように、他の歯についても問われる可能性があります。上記に挙げた第一大臼歯、第一小臼歯、第二大臼歯の発育と時期の関係をしっかり覚えておけば、萌出の順番と組み合わせて時期を予想することができます。

 第一大臼歯 

歯胚形成:胎生4月 石灰化開始:出生時 歯冠完成:3年 萌出:6年 歯根完成:9年 

 第一小臼歯 

歯胚形成:出生時 石灰化開始:2年 歯冠完成:5~7年 萌出:9~12年 歯根完成:12~15年 

 第二大臼歯 

歯胚形成:9月 石灰化開始:3年 歯冠完成:8年 萌出:12年 歯根完成:15年 

最後に歯の異常と発生経過について補足して終わりとします。歯胚形成期から石灰化開始期に生じるものとして、先天欠如、無歯症などの歯数の異常、エナメル質/象牙質形成不全症などの構造の異常、矮小歯、歯内歯などの形態の異常があります。石灰化開始期から歯冠完成期までの異常として、石灰化不全、斑状歯(フッ化物)、テトラサイクリン歯(テトラサイクリン)などがあります。

【今回のまとめ】

歯の萌出・発育時期は、重要なところをコンパクトにして覚えましょう。歯の萌出時期は日本人の数値を覚えてください。萌出順序、萌出時期、代表歯の発育時期のように特に重要なところから順番に覚えていくと全体も覚えやすいです。

ここまで読んでくださった方のために、色付きの表もおまけで加えておきます。

画像をタップすると、PDF形式で表示され印刷もできます。
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歯科国試塾ブループリント

執筆協力

歯科国試塾ブループリント

2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。

2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。

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