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【講座8】近年、頻出!高齢者と関連した様々な評価スケールのまとめ 国試&CBT

【講座8】近年、頻出!高齢者と関連した様々な評価スケールのまとめ

“歯科医師国家試験”ラストスパート直前講座 #8

国家試験を週末に控え、この連載「国家試験直前講座」も最終回となります。 大学在学中から国試勉強会を主催し、予備校の受験対策研究にも協力した渡部先生に、最後の1週間で復習しておきたい、頻出のテーマについて教えてもらいました。

著者
渡部準也(わたなべじゅんや)

2021年、東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業し歯科医師免許取得。卒業時には長尾学術奨励賞(首席卒業)を受賞。同大学病院で臨床研修を行ったのち、2022年より同大学大学院へ進学し免疫をテーマに研究を行っている。学部在学中から同級生に対し、CBT/国家試験対策を行うなど、歯学教育に強く関心をもち、時期を同じくして他大学で試験対策研究を行っていた歯科国試塾ブループリント講師陣と意気投合し協力する。

いよいよ歯科医師国家試験が今週末に迫ってきました。どのような立場の受験生でも緊張や不安があると思いますが、”歯科医師”まであと少しです。自分を信じて最後まで走り抜きましょう!!

今回は、最直前期の今だからこそ確認しておきたい「高齢者と関連した様々なスケール」についてまとめました。今までの国家試験で出題があったスケールを中心に「生活機能」、「認知機能」・「精神状態」、「摂食嚥下」に分けてまとめています。本文では、注意しておきたい項目について解説をしていますので、あわせて読んでみてください。

高齢者と関連した評価スケール

必修範囲対策としては、今までの国家試験で全く出題のない評価スケールではなく、必修範囲以外で既に出題があるような有名な評価尺度を確認します。また近年では、必修範囲においても評価スケールの内容まで踏み込んで出題(114回B6、115回B10)されていますので、重要なものは中身まで一度、目を通しておきましょう。

まとめについて内容を確認していただきたいものは、赤字にして右にアスタリスク(*)をつけておきました。国家試験で出題が確認できたものは太字にしてあります。まとめの最後に、過去に選択肢に入っていたことがある性格を評価するスケールを入れてあります。正解肢としてではなく選択肢に関係のない評価尺度が入っていることがありますので、本番の国家試験では分からない選択肢があっても焦らずに落ち着いて回答してください。

スケールの名前を昇順に並べ替えた表も用意しました。似ている名前のスケールが近くに並んでいますので、それぞれ何のスケールか分かるか確認するのに使ってみてください。

画像をタップすると、PDF形式で表示され印刷もできます。
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生活機能の評価

高齢者の日常生活を評価するために、ADL、自立度、QOL等が具体的な評価スケールとして使用されています。まとめの表で具体的なスケールを確認してみてください。ここでは、ADLと自立度、口腔関連の評価項目のテーマで解説しています!

ADLと自立度

ADL(日常生活動作)は毎日の生活をおくるために、各人に共通して繰り返し行われる身体活動のことです。IADLと区別して、BADL(basic ADL)と呼ばれることもあります。ADLの評価として、Barthel Index(バーセルインデックス)、FIM(機能的自立度評価表)、Katz Indexがよく用いられています。

中でもBarthel Indexは一般的によく使用されており、食事、移乗、整容、トイレ、歩行(車椅子)、階段昇降、着替え、排便、排尿の10項目で評価されます。Barthel Indexの項目は覚えておきましょう。

FIMではBarthel IndexやKatz Indexに含まれるような運動項目の他に、コミュニケーション、社会的認知といった認知項目を評価に含みます。FIMは認知機能の評価項目を含む点が、Barthel IndexやKatz Indexとの違いといえます。Katz Indexについて歯科医師国家試験ではまだ出題はありませんが、他の医学系(看護師)では出題もあるので、名前は覚えておくと良いでしょう。

日常生活自立度判定基準は行政関連でよく使用されています。寝たきり度を判定する障害高齢者の日常生活自立度では、自立度が高い順にJ(自立)、A(準寝たきり)、B・C(寝たきり)の4段階のランクに分けて評価されます。4段階のランク分けがあることは知っておくと良いでしょう。なお、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、介護保険の認定で用いられており、自立度が高い順にI、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Mに分けて評価されます。

口腔関連の評価

口腔清掃の自立度判定としてBDR指標が有名です。BDR指標では、歯磨き(Brushing)、義歯の着脱(Denture wearing)、うがい(mouth Rinsing)の3項目について自立、一部介助、全介助の3段階で評価しています。国家試験でもすでに出題(113回C80)されていますので、BDRがそれぞれ何の頭文字か確実に覚えておきましょう。

口腔関連のQOL尺度はGOHAIとOHIPの2つを覚えておきましょう。どちらも口腔(Oral)のOが入っているので覚えやすいですね。GOHAIは、内容も目を通しておくと良いでしょう。GOHAIは過去3か月における口腔に関する質問表で、「口の中の調子のせいで~」「口の中の調子が悪いせいで~」に代表される質問のように、口腔疾患が日常生活に与える影響を評価しています。

認知機能・精神状態の評価

認知症やうつは高齢者によくみられる精神疾患です。まとめ表ではこれらの疾患に関連する認知機能やうつ、心身症状の質問票についてまとめています。とくに認知機能のスケールはよく確認しておきましょう。

認知機能スケールと手を動かす検査項目

認知機能の評価スケールは、対象者本人に対して質問する「質問式」と、対象者周囲の人の観察から評価する「観察式」に分けられます。質問式の認知機能検査として、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)やMMSE(Mini Mental State Examination)が非常に頻出します。HDS-RとMMSEは内容までしっかり確認しておきましょう。

HDS-RとMMSEの設問は、日時・場所の認識、記憶、計算、遅延再生(先に暗記してもらった設問をあとでもう一度聞く)など共通するものがあります。一方で、MMSEにおける図形模写(重なった五角形を描き写す)や文章記入(自由に文章を書いてもらう)のような、各々で特徴的なものがありますので、分けて覚えておきましょう。

MMSEの中の重なった5角形を描き写す設問については、114回国家試験の必修範囲で聞かれていますので、その他の手を動かしてもらう評価スケールについても確認しておきます。

TMT(Trail Making Test)では、1~25の数字が書かれた円がランダムに書かれており、患者さんに1~25までの円を、順番に線を引いて結んでもらいます。CDT(Clock Drawing Test)では名前の通り、時計の模式図を書いてもらい認知機能を評価します。

栄養・摂食嚥下の評価

高齢者の栄養状態や摂食嚥下に関する問題は、近年非常に増えてきており具体的な内容まで聞かれる問題も多いです。必修範囲においても今後出題が増える可能性が高いので、教科書等で実施時や道具の写真も確認するなどして復習してください。

栄養状態のスクリーニング検査

血液検査を使用せずに栄養状態の評価できるスクリーニング検査にはSGA(Subjective Global Assessment)とMNA(Mini-Nutritional Assessment)があります。SGAは項目も覚えましょう。

SGAでは、病歴について、体重変化、食物摂取変化、消化器症状、機能性、疾患と栄養必要量の5つを評価します。身体の評価には、上腕三頭筋や胸部の皮下脂肪の喪失、大腿四頭筋や三角筋の筋肉喪失、くるぶし部や仙骨の浮腫、腹水の項目を評価します。

MNAでは身体の評価に、BMIや、BMIが使用できない場合は下腿周囲長を用います。SGAとMNAの身体評価の違いについて意識して覚えておくと良いでしょう。

咀嚼嚥下機能の評価

咀嚼嚥下にスクリーニングのスケールは頻出です。国家試験の出題基準にも具体的な検査名が書かれており、出題者の意識や関心も強いことが分かります。必修範囲においても、EAT-10の内容について出題(115回B10)されたように、今後も嚥下機能評価に関して他のスケールの内容が出題される可能性も高いと思われます。

ここではひとつひとつのスケールについて確認はしませんが、赤字で記載したスケールについてはどれも大切です。具体的にどのように検査しているか、イメージできるように方法を確認してください。

【今回のまとめ】

生活機能、認知機能・精神状態、摂食嚥下など、高齢者に関連する評価スケールは近年特に頻出なので、重要なものは内容まで最後に目を通しておきましょう。

皆さまが国家試験で実力を発揮できることを、心よりお祈りいたします。

歯科国試塾ブループリント

執筆協力

歯科国試塾ブループリント

2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。

2021年3月創業の新進気鋭の歯科医師国家試験向け予備校。個人個人に合った教え方、無駄なことを教えない徹底した効率主義、SNSによるいつでも質問可能なサポート体制で、進級や多浪生の国試合格を実現している。歯科医師国家試験の他、歯科衛生士/歯科技工士国家試験、歯学部編入試験、大学院入試など幅広いニーズに対応した個別指導を展開する。

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