連載コラム

臨床研修スタート！やっぱり初診は緊張の連続でした…

元SKE48 矢作有紀奈の“歯科医師への道はひとつじゃない” #5 2023.6.23 会員限定

みなさん、こんにちは！
今回で5回目の連載となりました。

前回はYouTubeの事や、奇跡的に国家試験に合格した事をお話しました。
全5回にわたる連載もいよいよ最終回です。本当にここまで色々ありましたが、今回は無事歯科医師免許を獲得し、いよいよ研修医になった時のエピソードをお話したいと思います！

合格発表後、出勤日まで期間があったのでこれでもかというくらい遊びました。6年間、いや、大学受験も含めたらもっと長い間勉強漬けの毎日から、やっと自由な時間を手に入れたのです。そりゃ遊びますよね笑。研修医が始まる前にした事といったら、歯科医師免許の申請と保険医の登録、研修先の事務手続きくらい。これは結構めんどくさいし、時間がかかるので、早めに済ませておきましょう。

初出勤日！

さて、研修医出勤初日、これから始まる新生活にワクワクと不安でいっぱいの中、スーツを着て入社式に向かいます。初日はこれから1年間一緒に働く同期と初めて顔合わせし、病院内を案内してもらうという流れでした。同期は私含めて15人。その内9人が他校出身の子たちでした。部活に入っていなかった私は、今まで他校の子と出会う機会が無かったので、とても新鮮な感じがしました。

驚いたことに、みんなすでに私の事を知ってくれていて、中にはYouTubeも全部見ていたという子までいたので、嬉しいやら恥ずかしいやら…笑。

当時はコロナの影響もあり、みんなと顔合わせの飲み会などが出来なかったのが残念です。あと、どうせ自分が1番上だと思っていたのですが、意外と年上が多く、歯学部の年齢幅の広さを感じました笑。

私の研修先のカリキュラムでは、初期研修は座学が多く、模型実習や相互実習なども行われます。大学の授業の延長線上のようですが、もっと臨床的な内容です。それ以外の時間は外来で先生方のアシストをします。ほとんどポリクリと同じですね。週に1回程、2人1組で初診の患者さんの対応をするのですが、これは学生の頃にはない、まさに歯科医師としての仕事でした。「問診して、検査して、指導医に報告して、治療する」。この流れにまずは慣れるところから始まります。

ここで私達が今後担当できそうな患者さんがいれば、配当してもらえます。この制度のメリットは、1人の患者さんを一貫して診られるという点です。治療の始まりから終わりまで自分ですべてを見届けることができます。しかし、デメリットもありました。普通は2人1組ですが、15人だと奇数のため、どうしても最後の班だけ3人になってしまいます。

もちろん私は名前がヤ行なので余り物3人衆の1人でした。3人で診療するのは難しいのでローテーションで担当していましたが、配当される患者さんの数が偏ってしまったりして、他の班と比べて差が出てしまう事があったのは残念でした。あと、必ずしもペアで仲が良いとは限らない事かな笑。

技工質で夜まで作った個人トレーの失敗作

初めての初診担当、それはもう緊張しましたよ。素人丸出しでしたね。患者さんも不安だったと思います笑。最初は上手く言葉が出なかったのですが、半年経つ頃には普通に診療できるようになっていました。そこからです。治療が楽しくなってきたのは。診療後に同期と一緒に模型で自己研鑽したり、担当患者さんの治療方針の相談をしたり、お互い切磋琢磨し合える同期がいる事はとてもありがたいことでした。時には辛いこともありましたが、研修医時代は楽しかったです！余談ですが、研修医って何であんなにお給料が低いんでしょうね。。。大きな声では言えませんが…笑。

研修医室で同期とケーキ

研修医を終えてみて、研修前と後でギャップに感じた事といえば、1年ではそんなに出来るようにはならないってこと！研修前は1年後には一通りの治療は出来るようになっている予定でしたが、安心してください。1年なんかでは完璧には治療できません笑。なので2年目の今も普通に大変です。あとは勉強ばかりの学生の時とは違って、今度は患者さんとのコミュニケーションだとか、手先の器用さだとか、知識が重要だと実感します。教科書通りには行かないことばかりで焦ることが多々あります。それもまた研修前とのギャップの1つでした。偉そうな事は言えないですが、今研修医として頑張っている方々には、かけがえのない仲間と日々の成長を楽しんで欲しいです。