「まずは、やってみる」 それが、自分の可能性を広げる

実は学生時代、私は臨床に苦手意識がありました。治療に自信がなく、怖かったんです。そのため臨床研修修了後は、基礎研究を行う道を選びました。でも研究者として働いてみたら、どうも自分の性分に合わないことがわかりました。そこで方針転換し、大阪にある開業医で働くことに。そして勤務医として3年ほどたったころ、縁あって、当法人で分院長を任せたいという話をもらいました。理事長に会ってみると、難しい咬合再構成ができる高い技術を持っているだけでなく、人柄もとても魅力的で。「この人の下で学びたい」と、当法人への入職を決めました。

こうして分院長として働き始めたわけですが、それまでの一勤務医という立場とは違い、「すべての治療に自分が責任を追う」という状況は大きなプレッシャーでした。でも同時に、誰かの指示ではなく、自分の考えを実行に移せることが楽しく、大きなやりがいもありました。何より、理事長がサポートしてくれるという安心感があったからこそ、思い切って挑戦できたのだと思います。

私が心がけているのは、スタッフ全員が、患者様のために平等に頑張れる環境をつくることです。ときには覚悟を持って指導しなければいけない場面もありますが、お互いに気持ち良く働ける人間関係を大切にしています。また、スタッフに頑張ってもらうには、まずは自分が一生懸命になることが大事だと考えて、日々の仕事に打ち込んでいます。

歯科医師としての8年間を振り返ると、決してまっすぐな道ではありませんでした。でも、そのときどきで大切にしてきたのは「まずは、やってみる」ことです。やってみて自分に合わなければ、道を変えれば良い。その中で「これだ」と思うものを見つけて突き詰めれば良いんです。私は今分院長として、とても充実した日々を送っています。最近は包括的な治療を手掛けることも増え、自分の成長を実感しているところ。これからもここで、歯科医師としても人としても、学び続けるつもりです。