「努力」と「人」が成功に導いてくれる

私はもともと開業志向が強く、「医師よりも早く開業できそう」ということが、歯科医師を志した理由の一つです。その目標に向けて、臨床研修後は複数の職場をかけ持ちしながら、ほとんど休みなく働きました。外科やインプラントが有名な医院で学んだり、矯正や自費診療を1年目から経験したり。開業直前にはマネジメントも勉強しました。「誰よりも勉強し、誰よりも稼ぐ」それが、勤務医時代の目標でした。こうして準備を重ね、開業したのは卒後5年目です。開業当初はとにかく必死でしたが、スタッフ全員が勤務医時代からついてきてくれた仲間だったことが、何より心強かったです。開業4年目の今年、法人内の医院は5院になり、3年後には10院に増やすことを目指しています。こうした分院展開も、物件を提案してくれる業者さんがいるからできることです。「人のつながり」に、いつも助けられています。

医院づくりのコンセプトは、患者さんがホテルのように快適に過ごせる歯科医院。そのために開業前から、アイディアを書き留めていました。たとえば「診療室は個室にしたい」「患者さんとスタッフの動線は分ける」「衛生管理を徹底する」などです。開業にあたってはそれらを反映させ、私が思う理想の環境を実現しました。またソフト面でもホスピタリティを追求し、コンサルティングのノウハウを全員で共有しています。こうした取り組みの結果、口コミが広がり、どの医院も新患が月に数百名を数えるまでになりました。

もう一つ、私が大切にしているのは、スタッフが働き続けたい職場をつくることです。仕事にやりがいを持てることはもちろん、給与や福利厚生も充実させ、いわば「憧れの職場」にすることを目指しています。ときには小さな問題も起きますが、普段からスタッフとの信頼関係ができているため、きちんと話せば理解し合えるんです。「私の医院」ではなく「みんなの医院」だと思っているからこそ、周りが協力してくれるのかもしれません。もちろん、開業を目指す若手歯科医師も全力で応援します。患者数の多さを活かして、技術面も経営面もどんどん学んでもらいたいですし、勤務医時代に自分がしてもらって良かったことは、すべて提供します。当院を「卒業」して成功していく後輩たちと、支え合い、高め合える人脈のネットワークを築くことが、今の私の目標の一つです。