
【大人の歯科医師検定】 患者さんの無理難題。あなたなら、どうかわす?
石原壮一郎の「ダメ歯科医師と大人歯科医師の分かれ道講座」 #2 会員限定【答2】

- 「無茶言わないでください。そんなことできるわけないでしょ」
・・・・・0点 - 「なんでここまでほうっておいたんですか。歯が悲鳴を上げてますよ」
・・・・・1点 - 「ああ、これは痛むでしょうね。まずは状態を確かめてみましょう」
・・・・・5点
【解説】
明らかに無理難題だし、こんな言い方をされたらカチンと来ます。かといって、追い返すわけにもいきません。「痛くて気が立ってるんだな」ぐらいに受け止めて、あくまで平常心を保ちましょう。それが無理難題に適切に対処するための第一歩です。
①はそのとおりではあるんですが、自分が言ったことを全面的に否定されたら、患者さんは態度を硬化させるでしょう。②は「歯が悲鳴を上げてます」と比喩を使って事態の深刻さを伝えているのはいいんですが、いきなり責めたら逆ギレされるかも。この場の目的は、言い合いに勝つことでも患者さんをやり込めることでもありません。
望ましいのは③の返し。まずは激しいであろう痛さへの理解と共感を示して、患者さんの気持ちを落ち着かせつつ、こっちは味方であることを印象づけます。その上で丁寧に状態を確かめて無理である理由を説明すれば、やがて渋々でも納得してくれるでしょう。
【判定】
2問の合計は何点でしたか?
10点のあなた……大人歯科医師度90%。油断せず、さらなる高みを目指しましょう。
5~7点のあなた……大人歯科医師度50%。気を引き締めて、いっそう精進しましょう。
0~4点のあなた……大人歯科医師度10%。大丈夫。伸びしろが大きいということです。
今回の判定はいかがでしたか? 間違った選択をしてしまっても大丈夫。
毎回しっかり復習すれば、患者さんやスタッフに信頼される歯科医師に成長すること間違いなしです!
次回こそは、2問で10点満点を目指しましょう!
著者
石原壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。デビュー作『大人養成講座』をはじめとして、『大人力検定』『大人の言葉の選び方』など、大人をテーマとした数多くの書籍がベストセラーに。雑誌・新聞・ウェブ、テレビ出演などを通じて、大人としてのコミュニケーションのあり方を提唱。日本の「大人シーン」を長年にわたって牽引している。また「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」として、全国の人々に故郷の魅力をあの手この手で伝えている。1月下旬に最新刊『無理をしない快感』(KADOKAWA)が発売。
イラスト/中根ゆたか
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