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歯学部生からの相談内容【マイクロフィラー型コンポジットレジンの引張強さがハイブリッド型に比べて弱くなるのはなぜですか?】 国試&CBT

歯学部生からの相談内容【マイクロフィラー型コンポジットレジンの引張強さがハイブリッド型に比べて弱くなるのはなぜですか?】

歯学部生の学習お助けユニット“JYP”のCBTレベル「勉強相談室」Q&A #10

歯学部生なら避けては通れないCBT。臨床実習を受ける資格を得るためにパスしなくてはいけない試験ですが、コンピューターで行われるテストということもあり、問題の予測はなかなか難しいところ…。

そこで、CBTを受験するまでにマスターしておきたい学習範囲のなかから、歯学部生から募集した難問について、勉強お助けユニットJYP(ジュンヤとジュンペイ)がレクチャー! 毎月1問、じっくり教えてもらいます。

     ※ブループリントHP

【今月の相談内容】
歯科材料の物性

Q.  マイクロフィラー型コンポジットレジンの引張強さがハイブリッド型に比べて弱くなるのはなぜですか? (東京医科歯科大学6年生 Cさん)

ご質問ありがとうございます。歯科医師国家試験110回 C106からの疑問ですね。まずは問題を見ていきましょう。

正答: b,c

コンポジットレジンの種類と性質

一般的にコンポジットレジンやレジン添加型グラスアイオノマーセメントのような複合材料は混ぜ合わせる2種類のものの性質を併せもっており、割合が変わると増やしたものの性質が強くなります。コンポジットレジンはフィラーとマトリックスレジンが合わさった材料です。

フィラーの大きさや種類によってコンポジットレジンは下の図のように分類されており、近年ではさらにフィラーが小さいナノフィラー型も登場しています。

ハイブリッド型コンポジットレジンはさまざまな大きさのフィラーを配合することにより、ミクロ(マイクロ)フィラー型に比べてフィラーの量が多くなるため、レジンよりもフィラーの性質が強くなり一般的に充填材料としての機械的強度が向上します。

ハイブリッド型を除いて、フィラーの大きさで考えると、フィラーの大きさが小さくなるほどコンポジットレジン中に配合できるフィラーの量が減ること分かっています。またフィラーの大きさが小さいほど研磨性がよく表面がツルツルになりやすいです。

さて先ほどの国家試験問題ですが、一般的にはフィラーの性質と配合の多さを考えて解いていきます。

セラミックスであるフィラーはレジンと違い、吸水性がなく重合収縮もしません。またレジンに比べて、熱膨張係数が小さい(熱で膨張しにくい)ため、フィラーの量が多いハイブリッド型コンポジットレジンではa吸水性、d重合収縮率、e熱膨張係数は小さくなります。弾性係数に関してはフィラーの方が硬い(弾性係数が大きい)ため、b弾性係数がひとつ目の正答になります。

引張強さはどうでしょうか。フィラーの主成分であるケイ酸塩ガラスは一般的に使用されているガラスと同成分で割れやすく、引張強さはレジンよりも弱いとされています。とするとフィラーの多いハイブリッド型コンポジットレジンの引張強さは弱くなりそうなものですが、実際はマイクロフィラー型コンポジットレジンの方が、ハイブリッド型に比べて引張強さが弱くなります。これはどうしてなのか解説していきます。

一般的な材料の物性

はじめに、一般的な材料の熱膨張係数、熱伝導率、密度などの物性を復習しておきましょう。材料の物性についてはひとつひとつの材料の数値や大小関係を覚えていくのではなく、金属、金属以外の無機質(陶材など)、有機質(ワックスやレジンなど)を大まかに分けて覚えておくと役に立ちます。まとめの表を以下に示します。

ただ丸暗記するというよりも日常での生活や実習で実際に体験したこととヒモ付けしてイメージすると覚えやすいです。

例えば熱膨張係数に関して、ワックスは熱膨張係数がとても大きく、冷えて固まる際に変形(小さくなる)してしまうため、ワックスアップをするときは少しずつ盛り足して形をつくっていったと思います。義歯も水中保存ではなく熱湯で消毒などしようとすると変形してしまいますよね。

ミクロフィラー型は有機質複合フィラー

では最後に質問に答えていきます。レジン(有機質)、フィラー(無機質)そして金属の物性を理解することが第一ですので、基本をしっかりと理解した上で興味がある人はこの先も読んでみてください。

ミクロ(マイクロ)フィラー型コンポジットレジンの引張強さが弱くなってしまう原因は、実はフィラーの量ではなくフィラー自体の性質の違いにあります。

ミクロフィラー型コンポジットレジンのフィラーは、無機質の微小粒子であるコロイダルシリカを有機質であるレジンに混ぜ、一度固めたものを砕いてコンポジットレジンのフィラーとしています。このフィラーは無機質成分だけでなく有機質成分を含むので、有機質複合フィラーと呼ばれます。

コロイダルシリカは粒が小さく凝集してしまい、はじめからレジンに大量に入れることが難しいという性質があります。無機質であるコロイダルシリカの量が減ってしまうとコンポジットレジンの物性が低下してしまうため、一度コロイダルシリカをレジンに入れられるだけ入れて重合させたものを砕いてフィラーとするような手間をかけて、入れられるコロイダルシリカの量を増やしています。

すると有機質複合フィラーの表面はシリカではなくレジン(下図の青)となり、ミクロフィラー型コンポジットレジンのマトリックスレジン(下図の水色)と結合するのはレジン同士となります。シリカとレジンであればシランカップリング処理によって強固にくっつくのですが、有機複合フィラーの表面のレジンとマトリックスレジンの組み合わせでは結合する力が弱くレジン同士の界面で剥がれやすくなってしまうために、有機質複合フィラーによるミクロフィラー型コンポジットレジンの引張強さは小さくなってしまいます。

今回は少し複雑なテーマですが、いかがでしたか?
材料の仕組みを理解すれば、きっと実習の楽しさも増すはずです!

私立大学の4年生はもうすぐCBT。ぜひ過去記事を復習に使って合格へと近づいてください!

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